お風呂で仲直り-1
次の日の朝、奈々子の熱はすっかり下がっていた。
ゆかりとゆかりの母にお礼のメールを送る。
するとふと思う。
(幸雄にはどうしよう・・・。家まで送ってくれたから、連絡した方がいいのかな?)
そう考えている間に、葵が訪ねて来た。
玄関で彼を迎えるが、その表情は暗かった。
「・・・体調大丈夫?」
「あ、うん・・・。もう良くなったよ。」
何て葵に説明すればいいんだろう。
そう考えていると彼の方が先に口を開いた。
「奈々子さん、昨日の人と結婚するの?」
「え?まさか、しないよ!!!」
「でもプロポーズされたんでしょ?」
「うん・・・。でも断った。」
「どうして?」
「・・・葵君がいるから。」
すると葵は奈々子を見つめたまま黙ってしまった。
彼の視線が奈々子からふと逸れた時、彼は再び口を開いた。