お風呂で仲直り-19
奈々子はまた彼に尋ねたくなる。
―――あなたはほんとに高校生?
ご両親が家にほとんど居ないってことは、彼が家事をしているんだろうな。
って想像できる。だから料理も上手なんだと思う。
こんな風に看病してくれるのも、忙しいだろうご両親に代わって
弟さんにもしてあげているんだろうなと思う。
でも一番気になるのは、私が初めての相手だって言っていたけど本当なの?
キスだって上手だし、女の人が気持ちいい所良くわかっているような気がする・・・。
本当は誰か他に女の人、いたんじゃない・・・?
彼を詮索したい気持ちを隠して、奈々子は葵を見た。
「どうしたの奈々子さん、黙り込んで・・・まだ辛い?」
「ううん、大丈夫。」
「俺も寝ていい?もう夜中の1時。」
「わっ!ごめん、もうそんな時間。葵君ずっと起きててくれたの・・・?」
「うん。」
そう言って葵は奈々子のベッドに入る。
「おやすみ。」
「おやすみ、葵君。ありがとね・・・。」
お互いの手を握り合いながら、彼らは眠りについた。