お風呂で仲直り-12
彼女は急いで葵の服を洗濯機に入れ、スタートボタンを押す。
乾燥もしてくれるから、明日の朝までに余裕で乾くな。
と思って急いで洗面所を出ようとした時、また浴室のドアが開いて葵が顔を出す。
「奈々子さん、これ使っていい?」
シャンプーのボトルを手にこちらを見ている。
「いいよ、いいよ。なんでも使って。あ、お湯ためてゆっくり入っ―――」
と言いかけたとき、彼の声で遮られた。
「奈々子さんも一緒に入ろ?」
「え?!」
奈々子の声が裏返る。
「ダメ?」
「だめ、だめだよ!だって明るいもん!」
「お風呂だからね。」
「ほら、葵君も試験が続いて疲れてるんだから、一人でゆっくり入った方がいいよ。」
「うん、俺疲れてるから、奈々子さんに洗ってほしいな。」