お風呂で仲直り-11
「あ、葵君!タオル置いておくから。」
彼の脱いだ濡れた服が棚の上に無造作に置いてあった。
「あの・・服洗っておくよ。」
洗濯機に入れようとした時、浴室のドアが開く。
「待って!奈々子さん。スマホ入れたままだった。」
葵がドアから顔を覗かせる。
彼の髪の毛から水の雫がしたたり落ちる。
彼のびっくりするような色気に、奈々子はつい見とれてしまう。
「ポケットの中なんだけど、出しておいてくれる?」
「・・・うん、わかった。」
奈々子ががスマートフォンをデニムのポケットから取り出して、水がかからない所に置いたのを見届けると、彼はパタンとドアを閉めた。
奈々子は自分の鼓動が早くなっているのを感じる。
ゾクッとするような彼の表情が頭から離れない。
セクシーってこういう事言うんだ・・・。と奈々子は思った。