プロポーズ-2
(私って一体何なんだろう。
子どもの頃から周りに合わせてばかり。
いつも人に流されてばかり。
自分を持っていないから、そのツケが今回ってきたのかな・・・?)
どれくらベンチに座っていたのかわからない。
奈々子がふと気がついたのは、人影が彼女の前にフッと現れたからだった。
何・・・?
彼女が見上げると、そこに立っていたのは幸雄だった。
走ったのか、息があがっている。
奈々子は昨日の事を思いだして身構えてしまう。
今一番、彼女が会いたくない人だった。
しかし彼は彼女を見るなり謝った。
「ごめん、奈々子!!!」
「・・・・。」
奈々子は何も答えられずに彼から目を背けた。