痴漢-2
「遅いのよ、あんた! 何様のつもり⁉︎」
「五分前には来て待ってるぐらいのこと出来ないわけ⁉︎」
いきなり怒鳴り散らしてきたのは、美也子と冬美という香奈の取り巻きだ。
「ご、ごめん。ちょうどいい電車なくて。」
機嫌を損ねたくなく、絵理は素直に謝る。
香奈達は、三人とも学校のジャージにスポーツバッグを抱えている。これから部活に向かう女子高生といった感じだ。
「まぁいいわ。絵理さん、これに着替えてもらえる。」
有無を言わせず、香奈は持っていたスポーツバッグを絵理に渡す。
絵理は怪訝に思いながらも中を開けると、レースのついた白いブラウスとキャミソール、水色のミニスカート、そして黒のニーソックスだった。
「そうそう、ブラは着けちゃだめよ」
「……え?」
絵理は耳を疑った。ブラウスもキャミソールも薄地だ。それなのにブラをつけなかったら……とてもではないが、表を歩くことなどできる格好ではない。
絵理の胸は、同年代の中では比較的大きい方だ。それなのにブラをつけなかったらどうなることか。そんなことを考えていたら、簡単には承諾できなかった。
「なに、言うこと聞けないの? 駅から出るまででいいから、言う通りに着替えなよ。それとも、学校でマトにされたいわけ?」
美也子に言われ、絵理は仕方なく承諾した。スポーツバッグを持って、プラットホームのトイレで着替える。着てみると思ったほど胸は気にならなかった。
しかし、歩き出すと固定されていない胸はたわわに揺れ、ノーブラであることが容易に見てとれる。
個室から出ると、そこには三人が立っていた。出てきた絵理を、ちょうど囲むような形だ。
「……着替えたよ。で、どうしたらいいの?」
何をさせられるのか皆目見当がつかず、絵理は不安気に尋ねる。
「そう慌てないでよ、ちゃんと説明するから。その前に、冬美。着けてないか確認して。」
香奈がいい終わらないうちに、絵理は美也子に羽交い締めされる。そして、冬美が正面に立ち、ゆっくりと絵理の豊満な胸へと手を伸ばした。
下からすくい上げるように胸を揉まれ、ノーブラの胸はされるがままに形を変える。
「ちょ、ちょっと!やだっ、や、やめて!」
絵理は必死に抵抗するが、美也子の羽交い締めからは抜けることが出来ない。
「んー、これだけじゃわからないなー。もう少し触ってみないと。」
そして、冬美の手は胸の敏感なところへと動かされ、弾くように先端を触る。
「んっ!」
絵理の口から思わず声が出る。冬美の手は止まることなく、刺激を与え続ける。
「や、やだ、あっ!んぅ…は、はぁ、だ、ダメ…やん!」
思い切り先端をつまんだり、先ほど同様に弾いてみたり、触れるか触れないかで触れてみたり。と思いきや、思いきり摘ままれたり。
冬美はうまかった。絵理は経験こそないものの、自慰行為は人並みにするし、何度か達したこともある。だから、今まさに自分が達しつつあることを自覚していた。しかも、胸だけでだ。
「や、やめ…はぅ!も、もう、やだ、んくっ!」
来るっと、思った瞬間、絵理は体を強張らせる。その途端、冬美の指が胸から離れた。
「え、あ……なん、で。」
紅潮した顔で絵理は、肩で息をしながら冬美を見詰める。そんな絵理を見て、香奈達は嘲るように笑いたてた。
「あらあら、絵理さん。なんてはしたない顔をされているのかしら。」
顔を紅潮させたまま瞳を潤ませ、ほうけたように開いた口からはヨダレが垂れていた。