愛-3
「し、清水さん。真子と知り合いですか?」
そう美咲が聞けば
「ちょっとね」
なんて軽くウインクした。
その会話を食堂中がこっそり聞いているのが分かる。
「真子ちゃん、今日は仕事上がりに会えるかな?」
女の子を悩殺するような笑顔でこっちを見るから。
「あの・・・今日は同期会・・・で」
と、しどろもどろに答えると
「どこで?迎えに行くよ」
なんていう。
迎えに行くよ?
こんなところでそんなこと言っちゃっていいんですかっ!
「いつもの駅前の居酒屋?」
か、会社でフェロモン出さないでほしい。
そう思って答えるのが遅くなったところで美咲が
「いえ。あの。同期会なので・・・場所は違うんです」
「あぁ・・・先輩たちに聞かれたくない話もあるからな」
と、小さく笑った。
「場所は真子から聞いてください。って清水さん・・・
真子を。迎えに来るんですか?」
「そう」
「なんで真子を?」
「束縛しようと思って」
ね。とわずかに小首をかしげてにっこり笑う。
清水さん、本当にフラれてるんですよね?2回も!