再会-5
すると奥からまた声が聞こえ出してきた。
奈々子が目線を落とすと、玄関に何足も靴が並んでいるのが目に入った。
友達たちが来ていたのか。と気がつく。
「ごめん、ゆかり。友達来てたんだね。じゃあ私は帰るね。」
「え、奈々ちゃん帰っちゃうの?」
「えー、奈々さん帰っちゃうの?」
「真似しないでよ・・・豹介!」
ゆかりと豹介は幸せそうにじゃれあっている。
いいなぁ・・・そう思った時、奥からゆかりの友人たちが
バタバタと足音を立てながら玄関へとやって来た。
「ゆかりちゃんのお姉ちゃん?似てないね〜!」
「違うよ、従妹の奈々ちゃん。」
「へ〜、奈々さん美人じゃん。」
一人の男の子が自分を美人と言ってくれて、
彼女の顔はついついにやけてしまった。
「奈々さんも俺たちと一緒に遊ぼうよ。」
「そうしなよ、奈々ちゃん。入って、入って。」
美人と言われてすっかり気を良くした奈々子は、ゆかりの家に上がることにした。
「―――じゃあ、ちょっとだけ・・・」