再会-10
奈々子は我に返る。
葵の初体験を奪ったということを思い出す。
「あの!本当にごめん。私、あなたが初めてだって知らなかったから・・・。」
「俺が初めてだって、気づかなかった?」
奈々子はこくこくと頷く。
すると彼は意地悪そうな目で奈々子を見つめた。
「それって、すごい良かったってこと?」
彼女の顔が一瞬で赤くなる。
(ダメだ。この子と一緒にいるとペースが乱されてしまう。
彼に流されないようにしなくちゃ!)
「ねぇ、それより。あなた20歳じゃないじゃない!騙すなんてひどいよ。」
「だって、本当の歳言ったら、奈々子さん相手にしてくれなかったでしょ?」
「そりゃそうよ、未成年だって知ってたら・・・」
奈々子が口ごもると、彼が続けた。
「セックスしなかった?」
彼女は何も言えずに、無言になってしまう。
「じゃあさ、奈々子さん。責任とってよ。」
「えっ?責任・・・って何の?」
恐る恐る聞き返す。
「俺の初めてを奪ったんだから、責任取って俺と付き合ってよ。」
「は・・・?」