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あるお伽噺
【ファンタジー 官能小説】

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待ち人-6

一人の男の赤黒く染まった怒張する醜い代物が、彼女の顔に近づいてきた時、

「ぎゃあっ!!!!」

という叫び声と人間が倒れる音がした。
その声と音で、男たちは一斉に後ろを振り向くと、
そこにいたのは苛立った表情で立っている銀髪の男だった。

大男が叫ぶ。


「盗賊だ!やばいっ、逃げろ!!」


男たちは自分たちの馬の元へと走り出すが、
すでに彼らの馬はどこかへと駆けて行ってしまった後だった。
残された男たちは、次々と銀髪の男に懇願する。

命だけは助けてくださいと。


ティアラが震える身体をなんとか起こし、目に入ったのはサミュエルの姿だった。

「金目のものを置いて行け。」

サミュエルが一言そう言うと、男たちは素直に持ち合わせていた、
金貨や宝石を彼に差し出した。


「ふん、こんだけか。シケてんな。」

男たちはガタガタと震えながら土下座をする。

「お・・お許しを・・・。」

「行っちまえ、二度と俺の前に姿を現すな。」


男たちは気絶した男を抱きかかえて、一目散に森の中へと逃げていった。


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