滅ぼされた村-4
そんなある日、村人たちが珍しく噂話をしていた。
「この間よぉ隣町に行ったんだけどよ、ふたつ先の村に盗賊さ、やって来たんだって。」
「盗賊?また物騒な・・・でもよ、この辺って小さな町か村しかねえべ。」
「んだ、んだ。」
「金になるもんねえべや。」
「それがその盗賊、金目のもんじゃなくって女を連れ去るんだってよ。」
「おんなぁ?」
「しかも年頃が過ぎた、女ばっかり狙ってるんだとよ。」
「またなんで、そんな・・・。」
「さあ、知らね。」
「いざとなったら逃げれるように、洞穴でも掘っとくか〜!」
村民たちはこれから待ち受ける、悲劇の運命の夜を知らずに冗談半分で談笑していた。