星を数えて act.4-5
私が帰ろうとすると、友希さんは私を引き止めた。
「一緒に待っててくれない?ね?」
「でも、二人の邪魔になるし……」
「そんなことないよ!私気にしないし」
友希さんが気にしなくても私が気にするんだよ!
…なんて、そんなこと思った自分に嫌悪してしまう。
「友希〜!おっ叶も一緒じゃん」
「あ、私携帯忘れた」
そう嘘をついて、わざと二人とズレを作れるようにした。
今思えば、何で走って家まで帰る方を選ばなかったんだろうって思う。
「見てみて〜!新しいストラップつけたの」
数メートル先でキャッキャとじゃれあう二人。
夜風にやんわりと包まれた声が嫌でも耳に入ってくる。
「可愛いじゃんー!」
友希さんの肩を抱いて、チラっとこちらに目をやる崇。
また楽しんでるんだ。
ぐっと歯を悔いしばる。
絶対泣いちゃダメよ。
泣いたらダメ。
「崇臣の携帯も見せてよ」
「おう」
ポケットから携帯をとりだすと、そこには。
「これどうしたの?可愛いー!!」
あのネックレスが絡まっていた。
「だろ?俺のお気に入り」
やだ
触らせないでよ
崇の携帯を持ち、ストラップに触れる友希さん。ジッとネックレスを見つめている。
「これ欲しいなぁー」
彼女がそう言ったとき、崇がまた私の方を横目で見てきた。
だめだよ!
あげたりしないで!