その1-2
希の部屋に入り、とりあえず何故か向かい合って座る二人。
少しの間沈黙が続くが、そっと希が口を開いた。
「ねえ、あんた、エロ本とか、AVとか持ってる?」
力のこもった睨むような眼差しで質問を投げかける希。
「ええっ、も、持ってないよ!そんなの!」
勢いに押しのけられるようにのけぞる優。
このくらいの年なら、そういうのに興味が出てきてもおかしくない。
だが優は裸や下着のような単純にエッチな事には興味があるが、
セックス、オナニーといった、次のステップには進めていないのである。
「そうなんだ…ふーん…」
「え、な、なに?」
希は膝立ちの姿勢で動き出し、何やら箪笥の隙間に手を差し込んだ。
Tシャツにショートパンツでお尻を突き出すようにした姿が、まだエッチな事に染まっていない優にもいやらしく見え、その目線が自然とお知りに行く。
そして取り出したのは、一冊の本。
もちろんエロ本だ。