陸-3
小太郎が戻ってきて褥を三枚、道場の中央に敷くと、ぐったりしたお国をそこへ引きずり上げた。そして、裸に剥き、自分も着ているものを脱ぐ。帯も外して垂れた男根が露わになる。萎れているが、けっこう長かった。すぐにお国を抱くかと思いきや、早喜のほうへ歩み寄り、股間をぐーっと近づけた。そして、腰をクイッと振って男根で早喜の頬を打った。
「くっ………………!」
歯を食いしばり、睨みつける早喜に、小太郎は下卑た声を浴びせ掛けた。
「ほうら。大人の魔羅だぜ。でかくて、どす黒いだろう。これがおっ勃つと、あ〜いい味だようって女どもが喜ぶのさ。……まあ、嬢ちゃんには分かるまいがな」
早喜は何か言い返そうとしたが、口を引き結び、戒めを解こうと激しくもがいた。
そんな小娘を尻目に、小太郎はお国に近づき、背中を撫でる。
「あーあ。出雲のお国ともあろう女が家康の命を狙い、その挙げ句がこのざまだ。せっかくの白い背中が痣だらけ。可哀想に……。といっても、傷つけたのはこの俺だがな」
ひゃははと笑い、小太郎はお国にむしゃぶりついた。押し倒され、彼女は背中の痛みに顔をしかめた。が、責める男は構わずに豊かな乳房に吸い付き、右胸の先の木苺に舌を這わせた。片手は左胸の乳首をつまみ、もう一方の手は女の股間へ伸びた。
『ああ、国姉(ねえ)!』
早喜は小太郎をお国からひっぺがしたかったが、身体を動かしても縄が食い込むだけだった。
小太郎はしつこく愛撫を繰り返したので、お国は意に反して乳首と女陰に甘さが生じてきた。背中の「痛」と性器の「快」。そのうちに「快」のほうが幅をきかせてくる。
「おやあ? よくなってきたかなあ?」
にやける小太郎を、お国は気丈に睨みつける。しかし、女陰の上部で膨らんできた肉芽、それを舐められ、吸い立てられると、腰がもじもじ動いてしまう。
「そろそろかな……」
八魔多がつぶやくと、小太郎も頃合いやよしと思ったか滾る魔羅の先を開(ぼぼ)に押し当てた。そして、わざとゆっくりと挿入する。お国の目が徐々に見開かれ、入れる途中で小太郎が一度止め、少しじらしてから一気に魔羅を根元まで突っ込むと、お国は「あうっ…」と甘い声を漏らしてしまう。
一度入れてしまえばこっちのものと、小太郎は薄ら笑いを浮かべながら魔羅を出し入れする。お国は下唇を噛んでいるが、股間のほうの秘唇は魔羅の刺激で徐々に腫れぼったくなり、やがて、女の汁が垂れ始める。
交接は延々繰り返され、お国は背中の傷の「痛」をほとんど忘れ、女陰の「快」のほうに気をとられていった。
そして、抽送がさらに続くと、「快」が「悦」へと変化した。
「……うっ。……ああぁ。………………ううん」
思わず嬌声も出てしまう。そして、小太郎が力感溢れる魔羅の打ち込みを始めると、お国は仰臥したまま身をよじった。足の五指が開いたり閉じたりしている。
「気丈を装ってはいるが……、とうとう善(よ)がり始めたな」
八魔多が酒を飲みながらニヤリとする。
「小太郎の魔羅はけっこういい味だからねえ」隣でお龍もほくそ笑みながら言った。「もちろん八魔多様の宝刀には太刀打ちできやしませんが、妖刀村正くらいの価値はあるかも」
その時、
「国姉!」
早喜の横で声が上がった。宇乃だった。気絶から回復した彼女が見たものは、男に陵辱されているお国の姿だった。
「国姉っ!!」
宇乃の叫びは痛切だった。家康を殺める寸前まで行きながら、それを阻止され、何者かに連れ去られた。自分たちも捕まったが、お国の行方のほうが気がかりだった。てっきり首を刎(は)ねられたと思ったがまだ無事だった。しかし、全裸で男に犯されている。ある意味、死よりも無残だった。そして、そのお国の顔は、辱(はずかし)めに抗ってはいるものの、時折、堪(こら)えようもなく喜悦を垣間見せるのだった。
「国姉っ!!!」
宇乃の三度目の叫びが上がったが、お龍がつかつかと歩み寄り、「うるさいねえ!」と足蹴にして黙らせた。
その間も小太郎の腰振りは続き、お国の漏らす嬌声は粘度を増していった。そして、怒濤の突き入れがとうとう功を奏し、白い腰をビクビクッとひくつかせ、お国は「逝き」を晒してしまった。
そのひくつきがおさまると、小太郎はまた抽送を再開し、激しい抜き差しの末、お国に二度目の絶頂を味わわせてから魔羅を引き抜き顔まで持ってゆき、上気した頬に粘度の高い精を放った。
「中に出したら後に控える八魔多の旦那が気色悪いだろうから、ここに出させてもらったぜ」
長魔羅を頬に打ちつけながら言う小太郎に、八魔多は破顔を向けた。
「気が利いてるじゃないか。露払いとしてはいいまぐわいだったぜ、小太郎。……さて、俺様の出番だな」
八魔多はお国をさらに善がらせて前後不覚にさせ、家康殺しを企んだわけをしゃべらせるつもりだった。
床几から立ち上がり、そして、ゆっくりと衣を脱ぐ八魔多。六尺の裸体は全身これ筋肉で、すでに七分勃ちになっている魔羅も筋肉質だった。その大きさは早喜も宇乃も驚倒するほどで、一尺(約30センチ)はゆうにあるだろうか。太さもたっぷりあり、亀頭は肉竿の先で鬼瓦のような厳めしさを示していた。