最初の日2-1
ラウラはベッドに裸で待っていた。キュウリに似た子供らしいにおいが和岐多の鼻に爽やかだった。
「体、こんなだけど、本当にいいの?」
そう言うラウラの胸は案外膨らんでいた。しかし乳首は虫刺されのような色と形で、全く出てはいなかった。
和岐多が近寄ると、ラウラは和岐多の腰のタオルを外した。緊張が顔に一瞬現れたが、大人の男を真向かいに見つめた。男は期待に力が漲り、硬く上を向いていた。
「ちょっとグロい。って言うか、変。」
和岐多が何か言う前にラウラは膝で立って、ひと思いにその先を唇で包んだ。首の裏に当たるところを何度も舌で舐め返した。覚えてきたふうの雑な動かし方だった。それでも、強さと場所が正しかったことと、少女の髪から昇る新しい女のにおいが甘くて、和岐多は立ったまま、迷わず子供の口の中へ漏らした。
初め気がつかないで続けていたラウラも、和岐多の様子と、鼻へ抜けてくるにおいから、事を察したと同時に、嘔吐するように自分の掌へ吐き出した。
「くさいっ。精子出したの? あっ、白いんだ。なんで口に出すの?いま飲んじゃった。気持ち悪い。あ、ごめんね。からだ大丈夫?」
慌てているラウラは、思いつくことを早口でしゃべりながら、掌のものを自分の長い髪になすってすばやく拭き取った。もう片方の手では、まだ出てくる白い汁を根元からしごき出そうと、細い指を絡ませた。
しかし、出してしまった後の重い倦怠感に、和岐多は少女の隣へ腰を下ろした。小さくなっていく和岐多の男をまだ手に包んだまま
「どれくらい休んだらまたできるの?」
と、申し訳なさそうに聞いた。
「からだ、見せてくれる?」
「あ、そうだよね。触って触って。写真撮ってもいいよ。」
ラウラは和岐多の手を胸に持って行きながら、姿勢を変えた。膝を立てて横になった。
和岐多が生まれて初めて目にする少女の性器であった。一面透明に濡れて、開くと糸を引いた。和岐多を力づけるには、ひと嗅ぎで充分だった。
「あ、待って。」
勃起を見たラウラがぱっと起き上がったかと思うと、鞄からアイスのカップを取り出してきた。空のカップであった。
「今度ここに一杯だしてくれる?持ってかえるの。」
「こんなに出ないよ。」
「出る。」
「まず、ゆっくり見せてよ。」
「あ、ごめん。そのあいだ、もう一回あたしがしてみてもいい?」
そう言ってラウラは和岐多を仰向けに寝かせ、和岐多によく見えるよう顔を跨いだ。和岐多はすぐ、ラウラの口にあたたかく含まれた。和岐多は我慢のしようもなかった。理性が退き、女の子の尻の穴に鼻を差し入れて嗅いだ。ラウラは舌を止めることなく上手にカップへ導いた。
結局、その日、二人はしようとしていたことをしないで終わった。和岐多の体が先に続かなかった。
「いくら払ったらいい?」
「今度でいいよ。セックスしてないし。」
その代わり、とラウラは加えた。
「また絶対に会ってね。儘さん、いい人だってわかったし、これがないと困るんだ。」
アイスのカップをラウラは嗅いでから大事そうにしまった。