What do you think it is?-2
「好きなオンナを抱きしめたい」
そう言って俺は両手でギュッと乃恵を抱きしめた。
「好きなオンナとキスしたい」
そう言って俺は優しく優しく乃恵にキスをした。
「好きなオンナに触れたい」
そう言って俺は乃恵の首筋を愛撫した。
「あの・・・・・」
ゆっくりと流れていた時間を断ち切るように、乃恵が申し訳なさそうに
口を挟んだ。
「ん?」
耳たぶの下あたりをキスしながらそう聞けば
「私も岡部先輩と触れ合いたいですが」
「ん」
「これって婚前交渉になりますよね?」
いきなり言われた耳慣れない言葉に、一瞬キョトンとして
乃恵の目を見つめれば、それが本気の発言だった事に気がついて
俺はプッと吹き出した。
「あっはっはっは。そうだね。ここから先は婚前交渉だ」
婚前交渉・・・か。
実際に言葉として聞いたのは初めてかも。
いつまでも笑いのおさまらない俺にムッとした乃恵の顔が見えて。
「うん。展開が早かったな。ごめん」
と、少し離れた。
そんな俺を微笑みながら下から見上げて
「それでも・・・やめないでほしいです」
そう言って乃恵から俺にキスをした。