撲殺天使ドクロちゃん 〜木工ボン道っていったいなんなんだよドクロちゃん〜-1
僕の名前は草壁桜 僕は今、一人の女の子に殺されてしまいました…短い人生であったもののさまざまな思い出が走馬灯のように頭を駆け巡っています。 あぁ お父さんお母さん 先立つ不孝をお許しください…
「きゃー 桜くんの体がとろみのあるトマトスープに浮かぶクルトンみたいにー!」
ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜
女の子が僕を撲殺した凶器である、トゲ付きバットエスカリボルグをクルクル回し不思議な擬音を唱えると、僕の体はまるでビデオの逆回し映像のように人間・草壁桜に戻っていくのです。「もう! ドクロちゃんのあほ天使!」そうです、ドクロちゃんは未来からきた天使なのです。ちなみにエスカリボルグはドクロちゃんの魔法のアイテムなのです。それにしても今回の事は許してはいけないのです!ドクロちゃんには撲殺ぐせを直してもらわないと、僕は日に3度はこうして内臓を外気に触れる生活をこれから先も送らねばならないのです。「だって、桜くんが小さい女の子の写真を大事そうに枕の下に仕込んでるんだもん。僕は未来で桜くんがロリコンの世界を作らないようにしなくちゃいけないから」
「だから! 僕はそんな世界を作らないよ! それに、なんで僕が幼き日の静希ちゃん(僕の幼なじみで恋愛対象である女の子)の写真を枕の下に入れて寝てるのを知ってるの!」「他にも桜くんのことなら何でも知ってるよ〜。一人交換日記(静希ちゃんとの妄想話を一人でつづった交換日記)がそろそろ5冊目に入る事とか。僕がシャワーを浴びてる時にのぞきにくるとか。夜中に僕の寝ている押し入れを開けて、僕の下着を手に取ってはぁはぁしてたり〜」
僕はそれからね〜とまだなにかしら暴露しようとしたドクロちゃんの口を慌てて塞ぎます。
「もういいよ。わかった、わかったから」
まだ、むぐむぐ言っているドクロちゃんの口にどら焼きの皮の部分を詰め込んでだまらせる事になんとか成功しました。そこに見た目19才前後で軍服を着用して左目に眼帯をしている、9才児、ドクロちゃんの妹 ザクロちゃんが血相を変えて飛び込んできたのです。
「おねえさま! 今月の月刊ボンドを愛すを読まれましたか?」
月刊ボンドを愛すとは? と誰しも思うだろう、その雑誌の正体は木工ボンドがかわいて透明になっていくさまを見続ける倶楽部、(木工ボンド部)の総轄機関である、全日本木工ボン道普及協会が発刊している雑誌である。ちなみに我が聖ゲルニカ学園にはドクロちゃんが木工ボンド部を設立ずみで部員は、ドクロちゃん 僕 未来から僕を拉致り殺すために送られて来たが、ひょんな事からその必要がなくなり、今はこちらの世界で極貧公園サバイバル生活をしている サバトちゃんの三人だけなのです。
「うーうん まだ」
ザクロちゃんはどこからともなく取り出した月刊ボンドを愛すを差し出しました「この記事を読んでください!」
「え〜と 桜くん読んで」
ドクロちゃんが僕に読ませようとするのには訳があるのです。それはドクロちゃんは漢字が読めない、その一点につきるのです。ちなみにザクロちゃんも読めないみたいです。
「緊急募集 木工ボン道を極めた読者の皆様 皆様の作品を緊急募集いたします。 テーマは人物です。 優勝者には木工ボン道トロフィーと副賞として木工ボンド製造工場の見学ツアーを贈呈します。へー、木工ボンド部って全国にあったんだね」
僕が雑誌を返そうとドクロちゃんの方をみた時、ドクロちゃんの瞳には星飛馬も二、三歩後ずさりしてしまうぐらいの炎がメラメラと燃えているのではありませんか!
「桜くん。部員を全員集めて! ザクロちゃんは材料を調達してきて!」
ドクロちゃんはボンドに関することと、マヨネーズに関することと、僕に対する残虐ないじめに関することでは、すさまじい行動力とリーダーシップを発揮するのです。
僕は急いで聖ゲルニカ学園の木工ボンド部のもう一人の部員である、サバトちゃんの住むアバランチ公園へと猛烈ダッシュ&ダンボール製のお家でくつろいでいた目標を確保。再度ダッシュで家へと向かう。