撲殺天使ドクロちゃん 〜木工ボン道っていったいなんなんだよドクロちゃん〜-3
「何ですか? また幼稚園でも盗撮しにいくんですか?」
「違うざんす! 今日はドクロちゃんに呼ばれたからきただけざんすよ」
「ざんすにもモデルしてもらおうと思って呼んだの」
ざんすさんはまんざらでもないようすで服を脱ぎ始めました。僕は慌ててそれを止めます。
「何で止めるんざんすか!」
「止めてください!婦女子の前で卑猥な物を出そうとするのは!次、また脱ごうとしたら警察に通報しますよ!」
ざんすさんは残念そうに服をきていきます。
「で、どんなポーズを取ればいいの?」「うん。ザクロちゃん。お願い。」
ドクロちゃんがザクロちゃんに耳打ちすると、ザクロちゃんはうなづいて僕とざんすさんに向き直りザクロちゃんの魔法のアイテムである、殺人濡れタオル、エッケンザクスをかまえ。なにを躊躇するでなく僕とざんすさんの体をエッケンザクスで逆海老ぞりに固定していくのです。
「な、何で! 何でエッケンザクスでグルグル巻きにされているの? しかも逆海老ぞりで!」
「イメージはシャチホコ」
「なるほどざんす。さすがはドクロちゃんざんす。感性が人とは違うざんすね。」
僕は思うのですが…天使は全員、頭がどこか狂っているのではないか?とね。
ドクロちゃんとザクロちゃんとサバトちゃんはそれぞれに作品を作っていきます。 やはり一番うまいのはドクロちゃんです、今にも動き始めそうな見ごとなボンドアートを着々と仕上げていきます。ザクロちゃんもドクロちゃんに比べれば劣りはするものの、それでもかなりの出来具合です。
サバトちゃんはというと、ふにゅとかはひっとか訳の分からない言葉を時々だしながらも、懸命に作品を仕上げていきます。
「いててててぇ〜 早く!僕を解放して〜!」
「あぁ なんだかこの痛みが快感に変わってきたざんす。 もっとざんす。 もっとミィを絞めるがいいざんす」
ざんすさんはサングラスであまりしっかりと確認はできないけど恍惚のまなざしをしているきがします。
「早く! ざんすさんがこれ以上へんな性癖に目覚めるまえに」
「出来た!」
ドクロちゃんはボンドの入っていたであろう赤い蓋で黄色いボディのからの容器を机の上にほっぽりだした立ち上がりました。
「わたしもできました」
「さ、サバトもできたですぅ〜」
二人もふー、と疲れ混じりに息をついて作業を無事終了することができたようです。
やっと、僕とざんすさんはエッケンザクスから解放されました。しょうじきあちこちが痛いのは隠せない事実なのです。「ところで、みんなどんな作品を作ったの?」
僕はドクロちゃんの作品に近づいていきます。
「どれど、ギャー」僕の足は掘りかけてやめた落とし穴らしきものにはまり、そのまま前のめりに倒れたのです。
「いてて。 もう!ドクロちゃん!ちゃんと失敗した落とし穴は埋めておかなくちゃ危な… え、なんでエスカリボルグを構えているの?」ドクロちゃんはニコニコしながら僕の右手を指し示します。「ん? 右… っ…」僕は僕の右手にしっかりと握られて、いまや原型をとどめていない、ボンドアートを目視して、死を覚悟しました。
「あのさ こ、今回のことは落とし穴を埋めなかったドクロちゃんにも責任が…す、すいません 全て僕が悪いんです。でもなんとか修正してみせるから。 だからその撲殺だけは止めて!」
僕の懇願むなしく エスカリボルグは見事に僕の体をミンチ状に粉々にしてしまったのです。
「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜」
〜完〜