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調教学園物語
【調教 官能小説】

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〜 金曜日・食事 〜-1

〜 29番の金曜日 ・ 食事 〜



 昼休み。 いつもであれば、まず食事をこなす時間だ。

 今までであれば、4限が終わってすぐ、割烹着風の女性達が教室に鍋を運んでくる。 教官が直に裾をまくるなり、鍋の真上で放尿する。 長々と排泄するわけではなく、あくまで儀礼的に、僅かに放ってすぐに止める。 それから私たちがお椀をもって列をつくり、鍋からオートミール風の食事をよそうと、席に戻って口にする。 或る時は床に這って犬のように啜り、或る時は口すら使わせてもらえず鼻を経由して吸い上げ、或る時は舌で舐めとった。 味は無味。 歯ごたえもなし。 匂いは、食欲をそそるとは真逆方向に特化した生々しい芳香。 五感を愉しませる要素はどこにもなく、機械的に栄養を流し込むだけの、まさしく身体を養う作業。 これが私たちCグループ生の食事の流れだ。

 ところが、今日は様子が違った。 

「食事場所へ移動します。 出席番号順に、2列四足歩行でついてきなさい」

 いわれるがまま、直立で礼をした直後ではあったが、私たちは膝をうかせ、お尻を揺らす不自然な体勢に戻る。 教官は振り返りもせず早足でドアをでて、それと一緒に体育委員の先輩方も続く。 遅れたらどうされるかわかったものではなく、慌てて私たちもついていった。 食事場所……食堂だろうか? 幼年学校には穀物パンやカップジュースの自動販売機や、おにぎり、店屋物の購買があった。 食券で好きなメニューを選ぶ食堂もあった。 私は昭和時代の和製カレーが大好きで、よく満載の福神漬けで舌を赤く染めていた。 

 食堂を使わせてくれるのなら、こんな嬉しいことはない。 もしかして週末が近いから、私たちにもヒトらしい食事があるのかも――などと甘い期待をしてしまった私は、つくづくお花畑がお似合いだ。 渡り廊下をわたってA棟にゆき、階段を降りたところに『食堂らしき場所』はあった。 そこには『畜舎』というプレートがついていた。

 『畜舎』には、長い真鍮(しんちゅう)製と思しき金盥(かなだらい)と、対になった木の枷が並んでいた。 木の枷は所々上下に分かれていて、長方形の盥(たらい)ごとに3つの枷がついている。 1つの盥につき、円柱の100リットルは入ろうかというドラム缶が立ててあって、金属のトイで盥と繋がっている。 床はすべて藁葺(わらぶき)で、木の枷がつくる一種の『島』ごとに浅い溝がほってあり、汁気を含んだ藁が溝にこぼれている。

 到着した順番に――つまり番号順に3人ずつ――木の枷に首を入れさせられる私達。 細い穴は首を押し込むのがやっとだった。 木のささくれに苛まれながら差し出した首は、淡々と下ろされる枷に挟まれ、もう左右に振ることもできないくらい。 出来るといえば、顎をひいて顔を上下に動かすくらいだ。
 
 腕は後ろ手に組まされ、革製の錠で繋がれた。 ひざまづいて上半身を倒しているので、藁と膝がキリキリと擦れる。 5人の先輩が要領よく誘導したのか、または私たちが従順に動いたからか、35名全員が枷に身を委ねるまでにかかった時間はものの数分だった。

「給餌(きゅうじ)用意」

 私たちに向かって右手側――首を動かせないので様子は伺えないが――から、2号教官の声がした。 『給餌(きゅうじ)』という単語が腑に落ちなくて、頭の中で何度か反芻して、勘が鈍い私はようやく気付く。 ああそうか、私たちはまだ『家畜』で、餌を与えられる立場なんだ。 だから教室すら使わせてもらえず、一挙手一投足を管理された上でしか、食べることも認められない。

 2号教官の指示にそって動いた、スラリとした足。 私達のすぐ前で止まる。 首を固定された姿勢から上目遣いに見上げれば、つまらなそうに私達を見下ろすB29先輩がいた。 左脚一本で立ち、右脚を真上に持ち上げて、そのまま足首を頭上まで掲げる。 いわゆる『Y字バランス』の恰好だ。 太腿の付け根までしかないスカートがハラリとまくれ、私にとっては見慣れた陰唇が縦に開く。 そうしておいて、

 ぷしっ……ビタビタッ。

 黄色の飛沫が勢いよくとんできて、激しく金盥の底をうつ。 放ったと思うと直後にきったので、量としては僅かだ。 そのまま金盥の底を流れる黄色いせせらぎからは、濃厚なアンモニア臭がたちこめた。 首を固定された私たちの鼻孔をくすぐる腐敗臭。 すっかり身近になった排泄物の香りではあるが、自分の匂いなら平気なのに、他人のものだと思うだけでどうしても嫌悪感がとまらない。 けれど、私は否が応にも鼻孔一杯に吸い込まざるをえない。
 
 足を下ろした先輩は何やら枷を操作した。 すると突然、首を固定した枷が斜めに傾いたではないか。 枷に顔が千切れそうなくらい引っ張られ、慌てて身体を浮かす私達。 枷は垂直から60度ほど傾き、私たちは顔を金盥にのめりこませた。 底に鼻先がぶつかりそうで、視界は一面金盥に覆われた。



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