Can I help?-6
デートを急かすオンナや
記念日を以上に大切にしているオンナの愛は
乃恵の愛に比べたら、本当にちっぽけだけど
逆に人間くさい。
人間くさい「愛と呼んでいるもの」にいささかうんざりして
全く信用していない俺は
乃恵の愛をよかった。と思った。
愛をかけた分、愛を返せという女たちは
愛を勝手に押し売りしておいて
それを返せという。
まったく自分勝手な思いだ。
乃恵の居なくなった食堂で
次の講義が休講になったので、暇になった俺は
紙パックのリンゴジュースを飲みながらそんなことを思っていた。
そして―――
俺自身が、愛を返してもらわなかったから
もう信じられないんだ。
という、思い出したくもない事を思い出した。
乃恵のように、愛を信じる環境にいたならば
今の俺も素直に「愛」を語れたのだろうか。
愛なんて・・・・
今更信じることなんか出来やしない・・・・