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プラネタリウム
【ラブコメ 官能小説】

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K-9

「あ、佐藤さん…」
「おう、みんな揃った?ははっ、お前らいつもルーズだよなぁ!」
「スンマセン…」
「いいっていいって。今日さ、Hi-wayの曲が録れるって思っただけで俺テンションぶち上げよ」
佐藤は今までにないくらいの笑顔でスタジオの中に入って行った。
「桑野くん、これ、好きに動かしていいから。足りないものあったら言って」
「や……ぁ…とんでもないっす。こんだけあれば十分なんで」
ドラムセットを目の前にして、大介の目が輝く。
「うわぁー……すげぇ」
きっと心の中の声だろう。
それが本物の声となって出た。
ドラムのことは良く分からないけれど、大介にとってこの上ないセットだったのだろう。
「ありがとうございます!!!」
「いーえ。洋平くんと海斗くんは……アンプいつもこれだよね?」
「ありがとうございます!やべー、佐藤さん分かってるー!」
洋平はニタニタしながらアンプに近付いた。
そして、いつもライブでアンプの上に置いているペンギンの置物を置いて準備をし始めた。
ちなみにそのペンギンの置物は陽向が旅行のお土産であげたものだ。
「よーちゃん、それ今日はいらないでしょ」
「いらなくねーし!サブロウはいつもアンプの上なの」
どうやらペンギンの名前はサブロウという渋い名前らしい…。
こんなイカツイ成りして逆に怖い。
インテリな空気をかます海斗は黙々とアンプとエフェクターを繋げている。

前から思ってたけど、本当に統一性のない人の集まりだなぁと思う。
桑野大介は音楽バカ。
メロコアとスカパンクが好きで、好きなアーティストの事をファミレスで5時間も語るくらいの音楽バカ。
確か高校の時で大介と一番仲が良かった、なんでもない関係だった時。
大久保洋平は、大介の幼馴染みでもともと音楽なんて全く興味なかった子。
ヤンチャな子とつるんで毎日先生に怒られてたイメージだったけど、大介がドラムをやり始めた瞬間に音楽に没頭し、今じゃギターオタクだ。
持ち前のヤンチャっぷりはライブでもすごいかましてて、お客さんに嫌われんじゃないかってくらい絡むし煽る。
そこがいいトコなんだけどね。
今日みたいにお土産のペンギンをいつも飾ってくれるピュアなところも好き。
宮瀬海斗は近代稀に見るド真面目の青年。
もっと叫んだり暴れたりしたらきっとモテるんだろーけど、そーゆータイプじゃない。
いつも優しく微笑む貴公子的な存在。
成績優秀で運動も出来て顔も良し。
今じゃ会社のエースだもんなぁ……。
そんな中にいるわたし、風間陽向はどんくさくて泣き虫、口だけは一丁前の困った人なんです。
それでも支えてくれる人や自分の創造したものに感銘を受けて、そして楽しませてくれる人がたくさんいる。

だから、今日はここでそれを電波に乗せてでもリアルでも……ぶちかますんだ。




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