同窓会は恋の予感!?-7
スクールカーストで、自分のポジションを表すのならば、俺は中の中。
モテるわけでもない。でも全く女に縁のなさそうな地味なグループってわけでもない。でも、やっぱりモテない、そんな立ち位置に俺やツヨシはいた。
対して、俺のマドンナ・雅さんは明るくモテモテの人気者……ってことは全くない、かといって地味子ちゃんグループに属しているわけでもない、一匹狼みたいな女の子だった。
休み時間になっても友達とおしゃべりもせず、ただ文庫本を読み耽る彼女の姿が、誰かと群れていないと不安でたまらなかった俺にとっては、とても衝撃的で。
一人でいるその姿が、あまりに凛と気高くて、気付けば雅さんの姿を目で追うことが多かった。
「よかったなあ、取手。初恋の相手に告るチャンスだぞ?」
「いや、あの、俺は別に……」
必死でごまかそうとしても、動揺して言葉が上手く出てこない。
俺みたいな素直な人間は、自分の気持ちを隠すことが下手なのだ。
「つか、お前さ。昔から雅さんのこと好きなんだろ? って訊くと、必ず否定してたけど、バレバレだったよ?」
「……マジ?」
「そりゃ、あれだけ雅さんのことチラ見したり、雅さんが側にいるときだけやたら話し声がでかくなったり、気を引こうとしてるのを目の当たりにしてたらなあ」
「…………」
俺の精一杯のアプローチを、雅さんではなく、コイツに見破られていたのかと思うと、もはや顔から火が出る所じゃない、顔からマグマが噴き出しそうなくらい、カッと熱くなった。
俺の淡い恋心をツヨシに知られたくなかったのが、恥ずかしいと言うわけじゃない。
恋心が恥ずかしいんじゃなく、恋心が実るわけがないのをわかっていたから、振られるのが怖かったから。
雅さんは、いつも一人でいたけれど、容姿がよかったせいか、告白してくる男は結構いたそうだ。
しかも、俺よりも断然かっこよくて、女の子からもモテるような、スクールカーストの上にいるような奴等からも。
だから、俺は雅さんに告白することすらできず、ただ指を咥えて見てるだけ。