You did a good job!-6
「俺も本気になった女なんかいないから。
そう言う意味では岡部と似てるかもね」
「・・・・なに?山田本気になったことないの?」
コイツ、いつも彼女いるだろう?
「ないよ」
「お前、それ彼女のいる身で言うか?」
「別に。彼女は知ってるし。
岡部だって愛は信じていないんだろう?同じじゃん?」
「俺は彼女がいないから良いんだよ」
「じゃぁ、言わせてもらえば、
俺は本気になった女がいないだけで愛は信じてるよ?」
はぁ?そうなの?
「本気の女に出会ってないだけ。出会ったら離さないよ。
どんなことをしても手に入れる」
「・・・・」
「愛を信じていない岡部の方が重症だろ」
そういって、俺の目をじっと見つめる。
「そう言えば、山田就職どうするの?」
張りつめた空気を変えたくて意図的に話題を変えた。
「ん〜?決まった」
山田もバカじゃない。
一瞬返事が遅れるほどに俺を見つめた後、フッと空気を変えた。
「え?もう決まったの?」
「ああ。内々定もらった」
はやっ。
「山田、早くない?」
「そうだな〜。たぶんこのまま決まりだと思う。
就職活動もめんどくさいしな」
なんて、おどけて言う。
「どこだよ?」
こんなに早くに内々定出す会社なんて。
「横浜ホールディング」
「はぁ?」
「変か?」
「あんな大手に決まったの?」
「そうだなぁ。決まったな」
こいつのひょうひょうとした態度に呆れた。