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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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俺と付き合って下さい!-1

「ウソッ、巴ちゃんと一条君って付き合ってたのっ!?」
「そうだよー。今まで気付かなかったの?」
「……。」

口に運ぼうとするフレンチクルーラーを持つ手が、DVD鑑賞で停止するようにピタッと止まる。

……良かったぁ。巴ちゃん、佐伯君にフラれて、明るく振舞ってはいるものの内心陰では
寂しい横顔を見せているのでは?と心配だったけど。

そっかぁー、他に付き合っている人が居るんだ…。それなら独り身でないし。

大事な親友がもう完全に立ち直ったと知り、穏やかな笑みを見せる。

「何?…その顔。」
「もう、大丈夫だね。」
「!……」

私の想っている事を察した巴ちゃんも私と同じ表情をし。

「ありがとう、若葉。」
「……。」

そして彼女はカルピスの入ったグラスを手に取りストローで一飲みした所で。

「うしっ!次はアンタの番だぜ若葉。」
「えっ?」
「今度はアンタが脱!独り身をするのよ!」
「わ、私は…別に。」
「前々から聞きたかったんだけどさぁー、若葉ってどういうのがタイプな訳?」
「それはぁー。」

目をキラキラ輝かせ、肘を肩に置き、グイグイとこっちに顔を寄せ出す巴ちゃん。

「やっぱ柔らかくてぇー。」
「うんうん。」
「ふんわりしてるのが良いかなぁー、このフレンチのように。」
「え?」
「オールドファッションみたいながっちりしたのも良いけど、やっぱり食べるなら。」
「バカッ!喰いモンの話じゃなくて男子の話よっ!」
「い、いやぁー私はそういうのは…。」
「良い?女の子は理想の彼氏を見つけるのが義務付けられてるのよ?」
「えぇーーーっ!初めて知った!」

ガッチリと肩を掴み、暗示を掛けるかのようにそう言い放ち。

「若葉だってさぁー、一応女子な訳だしー、あるじゃない?そういうの一つや二つ。」
「何か引っ掛かる言い方…。そうだねぇーまぁ優しい人とか…。」
「うんうん。」
「スポーツ万能でぇー。」
「良いですなぁー、ウチのも弓道部に入ってるもんねー。」
「少しぶっきらぼうで…。」
「うんうん…へ?」
「勉強を教えて、落ち込んでたら何気なく励ましてくれるような人。」
「若葉…。」

それって、まるで…。

「駄目よ、若葉。」
「巴…ちゃん。」


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