俺と付き合って下さい!-5
「ったく、あの金髪ヤロー。」
「巴ちゃん……。」
巴ちゃんの部屋で、山賊のようにあぐらをかき豪快にポテチの袋を開け、バリボリバリボリと音を立ててやけ喰いする彼女。
「ワガママ身勝手、つくづく鈍感ヤロー。」
「……。」
「人を振って置いて、今更アタックするなっつーの!」
「あはは…。」
例の体育館でのバレーボール襲撃事件以降、滝のように彼の悪口を零し。
「でも、そういうの…ちょっと矛盾してない?」
「は?矛盾?」
彼女が淹れてくれたジュースをトレイにゆっくり置き、話す。
「そりゃー、彼がもし、もしよ!?軽はずみな考えで私にあぁやって言い寄ってきたなら
巴ちゃんの怒りも分かるよ?」
「……。」
「でも、そもそも私が彼から一コマ距離を置いて、ただの友達でいおうとしたのって、何の為?」
「そりゃー。」
「むしろラッキーじゃない、まぁあの時はあまりにも予想外の出来事で戸惑ったけど。」
「…にしても何だって急にね。」
「私も…よく分からないけど、でも…軽はずみな感じは…なかったよ。」
「当り前よ!もしそうならマジで、今度は病院送りにしてやらぁ。」
「巴ちゃん、仮にも元恋人でしょ?そんな言い方。」
「何よ、大事な親友が傷つけられたら誰だって許せないでしょ。」
「……。」
確かに、そうかも知れない。オレンジジュースをストローで一飲みし、氷のカランとした音を立てて。
「それで?アンタはどうしたいの?」
「私は…。」
「…もう彼とは付き合いたくないなら私、追っ払ってあげるし、もし若葉の言うように
これがチャンスだって言うなら背中を押す…。まぁいずれに私はアンタの考えを尊重するからさ…。」
「ありがとう。」
私は…。