4話 亀裂と和解-1
春休みが終わり、勇樹は高校生になり、晴菜は中学2年へ進級した。
勇樹は、新生活にもようやく慣れて、晴菜ともそれまでと変わらずあっていた。
梅雨の季節が終わりかけていた、ある日、勇樹たちは晴菜の弟である俊史の大会の観戦へ来ていた。
コーチである果梨が車を運転し、晴菜、俊史、勇樹を会場まで送り迎えしてくれるのだ。
その日は生憎の雨となり、試合は泥沼化した。
俊史は予選を突破し、その日の試合のすべてのプログラムは終了したので、彼らは今車で自宅へと向かっている。
勇樹は、あの一件以来初めて果梨と顔を合わせることになったということもあり、とても気まずい様子であった。
しかし、果梨は大学生ということもあり、勇樹に対しての遺恨はない接し方をしているようだが、勇樹には逆にそれが不自然に見えたのかもしれなかった。
果梨の車は助手席には誰も座らず、勇樹は左、真ん中に晴菜、右に俊史が座っていた。
果梨と俊史の今日の試合相手の他校生の愚痴が始まり、会話に入っていけなくなった勇樹は、雨が降る外の景色を見ていた。
晴菜は携帯ゲームに夢中になっていて、勇樹は時々、晴菜の方を横目で見つめる。当然胸の膨らみも含めてである。
会話が一段落して、車内が静かになったと思っていると、勇樹の視界の片隅で晴菜の胸に人差し指で触れている俊史の指が映った。
俊史の人差し指で突かれている晴菜は「やめて」とゲームをしながら口にするだけだった。
しかしそれがあまり抵抗する気が無いように見えたのか、俊史は両手で晴菜の胸を鷲掴みにした。
弟が姉の胸を触るという姿を目にし、俊史によって近親相姦が行われているのかもしれないと、勇樹は一人妄想に耽り、勃起する。
さすがの晴菜もこれには、「やめてって言ってるでしょ。」と俊史の頭を叩いて、またゲームに視線を戻した。
俊史は、晴菜に相手にされなくなったので、切り替えて、果梨と再び会話を始めた。
果梨はこの悪戯に気付いていない様子で、俊史と会話を続けている。
勇樹は、俊史の知らない晴菜の淫靡な姿を知っているぞ、と内心で自慢し、自分こそが晴菜の胸を一番触って、よく知っていると思った。
その思いを晴菜に刻みつけたい、公園に降りる時間が待ち遠しくなったのだった。
数10分が経って「お二人さんはここでいいよね?」と果梨が車を止めた。
そこはいつもの公園の裏側の出口で、俺と晴菜はお礼の言葉を果梨に伝えて車を出た。
傘をさして、晴菜の手を引いて足早にいつもの場所へと向かった。
勇樹は晴菜を持っていたカバンの上へ寝かせると、「好きだよ、晴菜」と、貪るようなキスを始めた。
「どうしたの勇樹?」
いつもと様子が違う勇樹に晴菜は疑問を持ったらしく、そう聞いた。
「晴菜がたまらなく好きなんだ。晴菜を離したくないよ。」
舌をねじ込むように晴菜の口に入れ、髪を撫でてから晴菜の衣服を脱がし始める。
晴菜の下着は、今日は珍しい柄物のスポーツブラを身に着けていた。
そんな姿に興奮して、いつもなら下着越しの感触を楽しむところだが、早急に晴菜の胸を露出させた。
あっという間に上裸になった晴菜に、勇樹は口づけをし、右の乳房を激しく揉みしだいた。
キスをする舌は、晴菜の首筋から、鎖骨にかけて下っていき、左の乳首を赤子のようにしゃぶり始める。
「っ…。」
晴菜の息遣いは乱れているが、喘ぎ声は発しない。
勇樹は前に晴菜が喘いだ、乳首を引っ張るということを試みたが、息が乱れているばかりで、今回は喘ぎ声を発しなかった。
俊史の行動を目にしてしまった勇樹は、普段よりも晴菜の体に興奮していて、晴菜に更なる快楽を知らしめようと、次の行動に出た。
勇樹は晴菜の太ももを撫でながら、「好き」という言葉を建前にしてキスを続けた。
撫でているのを太ももから、徐々に晴菜の恥部へと近づけていく。
晴菜の膣周辺は、デニムの生地越しでも熱を帯びているように感じた。
現時点で、晴菜に拒絶されている様子は見られなかった勇樹は、晴菜の履いているデニムのボタンを外す。
ピンク色の下着が目に入り、勇樹は初めて女性の蜜壺に手を触れるのだと覚悟した。
男性は興奮すると勃起し、女性は、濡れる。
それが事実であるか、勇樹は確かめることになる。