4話 亀裂と和解-5
公園近くのバス停に到着し、晴菜の手を引いて勇樹は以前、陽大と階段のところで会った、竹の柵に囲まれている場所へと向かった。
花火は元々ここでする予定で、果梨と俊史が来るまでは、ここに居ても平気で、辺りは暗くなっていたため、いつもの場所へは行かなかったのだ。
木の下のベンチに晴菜を腰かけ、隣に座った勇樹はすぐに晴菜を抱きしめ、キスをした。
「今日はどうしたの?」
晴菜はこの前の膣を触ってた時のような警戒心のある感じではなく、ただ純粋に勇樹の暴走っぷりについて疑問を持っているような様子であった。
「晴菜の水着姿を見てたらさ、なんだか我慢できなくなっちゃってさ…。」
そう言って勇樹はまたキスをする。
「もう、変態…。」
晴菜は勇樹の性欲に呆れている様子だったが、それでも拒絶するような様子は微塵も感じられない。
万が一、誰かに目撃される可能性のあるこの場所ということもあったので、勇樹は晴菜のシャツを胸の上まで捲り、晴菜のブラジャーを外してそのブラジャーをベンチの隅に置いた。
晴菜の露わになったDカップの左の胸の乳首を口に頬張り、右の胸を勇樹の右手で揉む。
晴菜が椅子に座り、勇樹は地面にしゃがんだ状態から晴菜の体を弄っていたので、下から胸を弄られている、という体勢だった。
右の胸の乳首を集中的に攻め始めると、
「あっ…」
と晴菜の喘ぎ声が久しぶりに聞こえる。
いつもはこのぐらいでは、晴菜は喘ぎ声を発したりすることはないはずなのだが、この日は違っていた。
プールという公共の場所で体を触ってきた勇樹を注意し続けていた晴菜だったが、もしや自分自身も中途半端に弄られて、欲求不満のままプールから戻ってきたのではないだろうか、と勇樹は頭の中で考えた。
そんなことを思うと、勇樹はますます興奮した。
誰かに見られるかもしれないというこの場所のスリリングな感覚も久々に相まって、勇樹も自分の下着に手を入れ、勃起したペニスを弄っていた。
「あんっ…んんっ…」
晴菜は我慢するような様子はなかったが、小さな喘ぎ声を漏らしつつ、乳首を舐めている勇樹の頭を抱きしめていた。
「ごめんね、勇樹。私…気持ち悪い声出しちゃって。」
晴菜はそれが気持ち良さのあまりに出るものだとは知らなかったようだ。
「気持ち悪くなんかない。それは気持ちいいと思うと、出てくるんだ。晴菜の声、俺はもっと聞きたいんだよ。」
勇樹は、そう晴菜に伝えた。
彼女は今まで、気持ち悪いと思っていた声を出さないように我慢していたのかもしれない。
気持ち悪くない、むしろ聞きたいということを伝えれば、依然のように膣を掻きまわしたりせずとも、乳首で喘いでくれるのではないか。
そう思うと膣内を弄らなくても別にいい、そう考えてた時だった。
「ねぇ、勇樹…。何してもいいよ?」
晴菜のこの一言で、膣を触らないと決心した勇樹の理性は崩壊した。
「じゃあ、下触ってもいいか?」
「うん…。」
「ありがとう、晴菜。」
勇樹はキスをし、ベンチに座っている晴菜の脚を開き、スカートを捲り上げ、晴菜の履いているショーツの上から人指し指と中指を使って、ゆっくりと撫でていく。
晴菜は既に濡れていて、生地越しでも指に愛液が付着するくらいになっていた。
ショーツの中に手を突っ込むのはこの体勢からでは困難だったので、ショーツの生地をずらし、露出した晴菜の膣に触る。
晴菜のそこは、前と変わらず熱を帯びていて、以前よりも濡れているかのように感じた。
晴菜の膣口に指を2本入れる。
2人しかいない空間で、蝉の鳴き声と、晴菜の愛液と勇樹の指が絡みつく音が聞こえていた。
「あっ…んんっ…」
「晴菜、気持ちいい?」
晴菜の方を見るが、「言わない…」
と言われ、目を反らす。
直接聞いても晴菜は決して肯定することはなかったが、この日の夜にメールで、勇樹から同じことを聞かれ、「うん」と認めたことは内緒の話だ。
晴菜の喘ぐ様子を見て、ますます興奮した勇樹は、膣の中に挿入している2本の指を更に激しく動かした。
「あっ…勇樹…ちょっと痛いよ…。」
まだ、膣を触られることに慣れていないということに我に返って勇樹は気付く。
ともあれ、少なくとも以前は拒絶した膣を触ることについて晴菜はこの日から拒絶することはなくなった。
勇樹はただ純粋に、晴菜がまた体を許してくれたことを嬉しく思い、優しく、もっと気持ちよくしてあげたいと、思ったのだ。
それからしばらくして、晴菜の携帯に着信が入り、果梨たちが来る前に服を着て何事もなかったかのように振る舞った。
それが、晴菜と最後の花火だった。