淫靡なる楽譜-19
詩人は立ち上がると、帽子を被りリュートとバックを手にした。そしてそのままドアの方に向かう。
ドアノブに手をかけながら、詩人は内心微笑んだ。
(今度の曲はなかなか面白い出来ですよ、王妃様・・・・なんといっても、最終章をあえて3回連続“演奏"するように仕組みましたからね・・・・)
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―――同時刻
―――ザァァァ・・・・
―――キュキュッ・・・・
シャワーの栓を閉めると、ディアナは両手で金髪をかきあげながら、
たっぷりと髪に含まれた水気を搾り取っていった。
彼女の足元のタイルに、ポタポタと水滴が落ちていき水溜まりを作っている。
―――まだ日は高い時間であり、いつもの日課からいえば身体を洗うには早い時間である。
しかしディアナにとって、今日は都合4度目になる個人的な演奏会の日。
注文していた“新曲”の調べに対応できるように、
“楽器”は丁寧に手入れしておかなければならないのだ。
(・・・・・・)
ディアナはシャワー室備え付けの鏡の前に立ち、
改めて鏡の向こうにいる自分自身に向き合っていた。
肩口まで伸びる金髪とピンク色の唇、
そして形が良く乳首が反り返る乳房に滴る水滴を弾く張りのある白い肌。
日々の練磨もあって無駄な肉のないスラリとした手足と、形の良い尻。
そして彼女の下腹部で水気を残しているせいかキラキラと光りを放つ、様々な男の欲望を飲み込んできた金色の茂み―――――