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淫靡なる楽譜
【二次創作 官能小説】

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淫靡なる楽譜-1

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――――ワアアアア・・・



―――パチパチパチ・・・



ホール内に響き渡るカーテンコール。いくらこのドームが通常のものより狭いとはいえ、これだけの人が一斉に拍手すれば その音響と迫力はなんら見劣りするものではない。



―――ローザリア王国






ここはある貴族が自分の屋敷の敷地内に立てた特設のホール。主に王族貴族が集まって内輪の演奏会や観劇を楽しむ為に建てさせたという白い大理石のドーム型劇場だった。
そして今日このホールの周りには、上等な4輪馬車が何台も軒を連ねて並べられていた。
このホールの持ち主たる貴族が、私的に開いた演奏会。オーケストラ風なものから数人のものまで、様々な趣向を凝らしたものを演目に集めている。


そして観客として この演奏会に招待されたのは、

ローザリア国王ナイトハルト夫妻を初めとして主要な王公貴族の夫婦・カップル達である。








響き渡るカーテンコールの嵐の中で、ディアナも2階に設けられた特設の貴賓席に座り夫の横で漠然と手を叩いていた。




ディアナ―――

イスマス城主の娘に生まれ、城がモンスターに襲われた時は弟を逃がす為に自ら剣を振るった金髪の麗人。邪神サルーインが倒されるまでの混乱の間傷の手当てを兼ねて隠れ潜んでいたのだが、戦後にかつて求婚を受けていたローザリア国王ナイトハルトと結婚し今では王妃の座に収まっている。

肩先で切り揃えられた艶やかな金髪。宝石のような輝きを持つ青い瞳。混じり気のない純白の肌。しなやかな肢体。括れた腰回り。そして鍛えられたせいで締まり 無駄ない肉付き―――

誰もが羨み溜め息をつく、そんな女性であった。

しかしそんな彼女の顔色は冴えない。暗いといっても言い過ぎではないだろう。
その暗さが、彼女が着ているノースリーブの純白のドレスと対称的に余計際立つ。
そして彼女の形の良い背姿は、ドレスがバックレスの為に剥き出しになっており
皆も口には出さないが、
彼女の背中に知らず知らずのうちに視線を走らせてしまうのだった。






だが、そんか周囲の視線に気づけない程に音楽鑑賞するディアナの表情はどこか陰りを帯びていた。



今こうして夫婦揃って席についていても 外見はさておき、その内実は穏やかさとはほど遠い場所にあったのだ。


それは夫がディアナ自身から離れ、別の女性に心を向けるようになったこと。


そして誰あろう、ディアナ自身が“その現場”に遭遇していたのである――――


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