『Twins&Lovers』-54
「ほら、こんなに……心臓……鳴ってるでしょ……」
サオリは、ヒロヨシの手の甲に、さらに指を重ねる。
「ヒロちゃん……好きよ……」
ヒロヨシは、目の前が真っ白になった。両手で持ち上げるように、乳房の側面を持つと、そのまま握り締めた。
「あっ、つ！」
「わ、ご、ご、ごめ……」
サオリが首を振った。構わない、と言いたかったのだろう。ヒロヨシは、ゆっくり、そ、と、サオリの乳房を揉み始めた。
「ふ……く……」
サオリの口から、快楽を告げる声が漏れる。これぐらいが、いいらしい。
ヒロヨシは、そのまま愛撫を続けた。
「ン……ヒロちゃんの手……あったかい……ンン……」
鼻にかかった声は、まさしく快楽を得ている証。ヒロヨシは、拙いながらも、懸命にサオリの胸を愛した。
ふと、その頂点に息づく赤い果肉が、まるで何かを求めるように固く屹立しているのに気づいた。
『オンナってよー、感じると、俺たちのマラみたいに、乳首がおっ勃つんだぜ！！』
悪友よ、その通りだ……。ヒロヨシの呟きに、音はない。
（ねえちゃん……感じてるんだ……）
ヒロヨシは、揉んでいた指を乳首に運ぶと、それを摘み上げた。
「あっ、ひ！」
サオリの嬌声があがる。乳首は思ったよりも固く、指先の腹で擦ると、こりこりという音がしそうなくらいだった。
「あっ、ああっ、んんっ、んあんっ！」
サオリの喘ぎは、寸暇なく部屋に響く。ヒロヨシは、固い乳首を見ていると、ある衝動が抑えられなくなった。
「あぁん！！」
サオリの声が、音程をあげた。
ヒロヨシが、その乳首にむしゃぶりついたのだ。そして、まるで赤子のように吸い上げ始める。出る筈の無い乙女の乳首から、母のエキスを搾りださんとするかのように。
「あっ！ あぁん！！ ヒ、ヒロ……ちゃん……！」
ぐむ、と顔が柔らかい胸に押し付けられる。それでも、なお、乳首の吸引を止めないヒロヨシ。
そんな彼の姿に、強烈な母性愛を刺激されて、まるで赤子をあやすかのように頭を撫でる。こんなにも満たされた想いは、初めてのことだ。
だが、女としての情念は、それ以上の愉悦を求めて仕方が無い。もっと、色んなところを愛されたい。愛して欲しい。
だから、サオリは言うのだ。
「ヒロちゃんに………胎内（なか）に、入って欲しいよ……」
と。
ヒロヨシは、乳首を離した。そして、身体を起こす。
その動きにあわせて、サオリは太股を開き、既に濡れそぼっている花びらを晒してみせた。
（うわぁ……）
まさに、花。こんなにも淫靡で、それでいて美しい存在を、ヒロヨシは他に知らない。
ごく、と咽喉が鳴った。
（この中に、今から、入るんだ―――）
ヒロヨシは、自分の股間を探る。
（う……）
そして、愕然とした。肝心の、モノが勃っていない。
（う、うそだろ……）
こんなに、好きな人の痴態を見ているのに。
（なぜ、勃ってくれない！）
しかし、主人の意思に反して萎縮し続けるそれは、硬直のかけらも示さない。
「ヒロ……ちゃん？」
動きを止めたヒロヨシの様子に気づき、サオリは顔をあげた。その、萎えた股間が目に入る。
「ご、ごめん……ねえちゃん……」
悲しそうなヒロヨシ。
しかし、サオリは、何も答えず、聖母の如き笑みをたたえながら、身体を起こし、ヒロヨシの股間に顔を近づけた。