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『Twins&Lovers』
【学園物 官能小説】

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『Twins&Lovers』-121

「う、で……でる…」
「いいわ……いいわ! ちょ、ちょうだい!! あついの、ちょうだいぃぃぃぃ――――――………っっっ!!!!!」

 どくどくどくどく!

「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――………っっっ!!!」
 求められるまでもなく宏好はその白弾を、佐織の急所めがけて余さず撃ち放っていた。
それに撃たれた佐織は喉を逸らし、唾液をだらしなく垂れ、四肢を震わせて、女の享楽を身体の奥底から堪能し尽くし、そして…果てた。



「恥ずかしい……」
顔を朱に染めて、佐織がつぶやいた。
 濃密な時間を過ごした二人はいま、同じ臥所(ふしど)で身体を寄せ合い、秋の涼風に冷えるのを防いでいる。
「あんなに、乱れて……」
 先程の情交を思い出したのだろう。獣のように腰を振り、貫かれている部分から淫液を撒き散らし、見境もなく果てを昇りつめたことを……。普段の自分からは、全く想像もつかない痴態を、自分でもそれと意識しているに違いない。
「俺は、嬉しいけど」
「もう……ばか……」
 5歳も年上の女性が、胸に甘えてきた。高校の悪友たちに、自慢したくてたまらない。
(でも……)
 この関係は、二人だけのものだ。甘いとろけてしまうような時間を味わっていたいならば、軽率なことはできないと宏好は思っている。


 今、宏好と佐織が身を寄せ合っているのは、佐織の部屋である。そして、佐織の家は、宏好の家と同じ敷地の中にある。なぜなら、二人の父親は兄弟で、宏好と佐織は、世間に言うところの従姉弟同士なのだ。
 二人の家……宇堂家は、地元では良く知られた名家である。華族の末でもあり、所有している土地も広い。
宏好の父・宇堂宏治は世界をまたに活躍する実業家であり、先代から受け継いだ数々の事業を成功に導き、さらに富を築いた。実は宏好は、そんな富豪の御曹司であったのだ。
宇堂本家は、宏治の家。そして、唯一の分家が、弟・宏市の家となるわけだが、そのあたりには少しややこしい事情がある。
宏治は、生まれたときから宇堂家の跡取りとしての責任と家の期待を一身に担い、それに応え続けた優秀な男だった。ところが次男の宏市は、小さい頃より近所でも有名な放蕩息子で、それは長じて後も変わることなく、ついには家を追い出されてしまった。
 それがなぜ、再び宇堂家の人となれたのか? それは、宏治と宏市の兄弟仲が良かったからである。
実は宏治は、弟であるにも関わらず宏市のことを頼りにし、尊敬もしていた。そうだ、文字通り、“尊敬”していたのだ。
学校の成績が伸び悩み父親に叱られたときも、慰めてくれたのは宏市であり、勉強について相談した相手も宏市だった。この弟が自分より相当に頭の切れる人物であったことを兄は見抜いていた。
 宏市は、自ら放蕩無頼を演じていたのである。理由ははっきりしていた。
兄より優れた弟がいたのでは、宇堂家は割れる。それを心配したのだ。だから、父親から遂に絶縁宣言を受けたとき、宏市は嬉々として家を出た。
だが、宏治にとっては、愛すべき弟・宏市が家からいなくなったことは、まるで半身を失ったような衝撃であった。だから宏治は宇堂家の当主となるや、すぐに弟の宏市を家に戻すために尽力した。既に弟を勘当した父は他界していたから、彼を戻すことに表向き異を唱える者は誰もいなかったので、それほど苦労したわけではないのだが。
最初は宇堂家に戻ることに宏市は難色を示した。しかし、兄の熱心な説得と、自分を取り巻いている厳しい環境を考慮し、ついにその申し出を受けた。
こうして再び、宇堂家の人となった宏市だったのだが、戻ってきた彼の傍らには、愛らしい小さな女の子が寄り添っていた。それが佐織である。母親は既に、他界したという。


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