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『Twins&Lovers』
【学園物 官能小説】

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『Twins&Lovers』-120

第10話  RECOLLECTION.〜追 憶〜

「いってきまーす♪」
 ひとみは足取りも軽やかに、玄関を飛び出した。
今日は、9月最終週の水曜日。私立城南学園は創立記念で休日である。だが、彼女のご機嫌はそのためだけではない。
 外で、勇太郎が待っていた。いつもとは少し違う、黒のシャツを基調に落ち着いた色彩でオシャレに着こなす勇太郎。こげ茶のベストが、なかなか様になっている。
「あ、ひとみ……スカート」
 そして自分も、珍しくロングスカートをはいてみたり。秋ということで、シックな色合いで上下をあわせている。
「髪もおろしたんだ」
トレードマークともいえるポニーはやめて、その髪をさらりと流していた。
「………」
 勇太郎君、戻ってきなさい。
「ね、いこ?」
 そんな勇太郎が可笑しくてたまらないように、くつくつと笑うひとみ。そして、無邪気に腕を絡ませてきた。
「あ、ああ……」
 ようやく夢うつつから我に帰った勇太郎は、それでも高鳴り続ける動悸を、どうにも持て余していた。



「………それじゃあ、おばあちゃん」
 勇太郎とひとみが出かけてからしばらくして、ふたみが弥生に声をかけた。
「ふたみも、お出かけかい?」
「うん」
 ちょっと焦り気味のふたみ。約束の時間まであと数分あるのだが、おめかしに時間をかけすぎて、自分の中で定めた予定を少し遅れている。
「ふたみ、かわいいね。相手のコも、きっと喜んでくれるよ」
「お、おばあちゃん!」
 弥生は屈託のない笑みで、優しい孫を見つめている。
いつもは質素な装いのふたみが、わずかばかりとはいえ着飾っていた。だから弥生は、そんなふたみの姿に、全てを悟っていたのだ。
「私は、郷吉さんのところにいってくるから、気兼ねなく過ごしておいで」
「う、うん」
 そしてふたみも、家を後にした。
 秋晴れが、高い青空を演出している。
(今日は、とてもいい日…)
弥生は、それぞれ笑顔で家を出て行った、愛するふたりの孫娘の幸せを、心から喜んでいた。
 そしてふたりの恋が、秋の実りを思わせるように、静かに大きくそして豊かに育ってくれることを、空に祈った。





『………

「あっ、ああっ! ん、んあああっ!!」
佐織の艶声は、何度聞いてもたまらない。宏好は、柔らかい媚肉を突き上げて……何度も突き上げてその声を抽出する。

ぐちゃ、ぐちゃ、ぐちゃ、ぐちゃ。

「んんひぃぃぃぃぃ!! ふ、ふかいぃっっ!! ふかいのぉぉぉぉ!!!」
「あ、あ、佐織……そんな、締めると……」
 ただでさえ張り詰めている大砲だ。それが、熱い恋人の粘膜にとろけるような愛撫をうけているのだから、それ以上の刺激は、暴発を誘発する恐れがある。
「だめぇ! だめなの……こし……腰がとまんないのぉっ!!!」

 ぐっちゃ、ぐちゃぐちゃぐちゃ!!!

 自ら艶かしく腰を蠢かし、宏好と繋がった部分から更なる快楽を搾り取ろうとする佐織。いつもの清楚かつ理知的で心優しい普段の仕種など、淫靡に悶える今の姿からは感じられない。


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