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『Twins&Lovers』
【学園物 官能小説】

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『Twins&Lovers』-114

「……ジロー」
 泣くだけ泣いて、落ち着きを取り戻したサキは少し震えていた。
「寒いか? ……俺の服、着るか?」
 カッターシャツのボタンに手をかけるジロー。しかしその動きは、胸の中に身体を預けてきたサキの動作によって妨げられた。
「お、おい……」
「寒いの……」
「だから、俺の服を……」
「………服じゃ、あったまらない」
「………」
「ジロー、お願い……」
 ぎゅ、と再びしがみついてくるサキ。彼女がこんなに甘えてくるのは、小学校低学年の頃以来ではなかろうか。
「意味、わかってんのか?」
 こくり、とサキの頭が縦に動く。
「俺、すんげえスケベだぞ。なにすっか、わかんねえぞ」
「いいよ……ジローになら、なにされても……」
 ジローの中で、何かが弾けた。サキの肩を掴み、手のひらにその小さな顎を乗せ、頤を反らせて鼻先で向き合う。
「………」
 何も言わず、その唇を塞いだ。予想はしていたが、随分と冷たい。
「……ん………んん………」
 唇の奥で、サキの舌がもぞもぞ動いている。それを引っ張り出すように、ジローは舌をねじいれた。
「ん―――!」
 驚いたように引っ込むそれを吸い出して、絡めとる。唇の冷たさに反比例するかのように、サキの舌は暖かかった。
「ん、んんっ、ん――――」
 舌を押し出すようにして、サキの口内に侵入した。体内の入り口ともいえるその場所は、さすがに熱い。サキの、呼吸を求める扁桃腺の震えがダイレクトに伝わってくる。
 唇を、離した。
「は、はぁ、はぁ………」
 水面に顔を出したばかりのときのように忙しない呼吸をし、うつろな瞳で見つめてくるサキ。薄く開いた唇の端から、唾液が一筋、糸をひく。
 ジローは、ブラウスの襟元に手をかけた。すっかり濡れてしまった薄い布地は、着ているだけで彼女の体温を奪ってしまうだろう。
「………あ、あぁ!」

 ぷちぷちぷち!

ブラウスのボタンが、弾けとんだ。プラスチックの小さなボタンが、板の間にころがり、からからと乾いた音を立てる。
襟元を掴んだままジローが、そのままブラウスを裂くようにして開いたのだ。薄桃色の下着が、形のいいサキのバストを包んでいる。だが、雨に濡れて透き通るそれは、赤く色づく膨らみの頂点を克明に晒していた。
サキは慌てて両腕を胸に添え、それを隠した。
「………」
 ジローは、無防備になったスカートに、今度は手を伸ばす。腰の横にあるホックを、留め金が変形してしまうぐらい荒々しく解くと、そのまま、ずるりと、下ろしてしまった。
「きゃっ!」
 胸の下着同様に、すっかり透けているショーツの股間を覆う部分には、淡い陰りがはっきりと浮かんでいた。
 右手を下ろし、隠すサキ。その仕種は、普段の勝気な彼女からは想像もつかないほど乙女なものであった。
「………なあ、サキ」
 ジローは、大切な部分を覆い隠すサキの手の甲に、右手を置いた。その意図するところを掴みきれず、怪訝な表情のサキ。
「お前もさ、オナニーするよな?」
「え?」
 言うなりジローはサキの背中に廻ると、両手を膝に廻して、ぐいと開脚させた。
「あっ!」
 矢継ぎ早なその動きに抗う暇さえなく、簡単にその姿勢を許してしまった。
 再び、手の甲に、ジローの右手が乗る。
「オナニー、こんなふうにするのか?」
 ぐにぐに、とジローの右手が踊った。その動きにつられるようにして、サキの指が揺れ、柔らかい外性器を刺激する。


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