プロローグ-3
実際、夏に向けてのプールの水着、この学校では、予め学校側が毎年用意するため、各々に申し込み用紙が配られるのだが、記入欄は男女の差はなく、好きなものを選んで良いとなっていた。
(ただし、セパレートなら、男女共に上も着る事になる。)
もちろん、優と誠は女子用の物のに丸をつけた。
そんな中、この奇妙な状況を、あまりよく思っていない人物が一人いる…
そう、希はとても不満だった。
いいオモチャ、ならぬ実験相手を見つけたと思ったら、よくわからないこの状況。
下着女装を弱みとして握るどころか、話題の中心にいる。
これでは、他のモデル仲間に置いていかれる一方である。
そんなヤキモキした気持ちでいる中、チャンスは訪れた。
普段なら大抵誠と一緒にいる優が珍しく一人で廊下を歩いているのである。
そこにすかさず希は手招きして優を呼び寄せる。
「この間の事、忘れたわけじゃないでしょうね?言いふらされたく無かったら、今日ウチに来なさい。」