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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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変化-4

「いやー、美味しかったねぇー、タダでご馳走になったスイカは。」
「ふっ、何だよそれ、誤解を招くような言い草。」
「いやいやぁー、他人からの優しさが詰まったご馳走は一段と良いなってね。」
「お前なぁー。」

成り行きで柊さんの家に皆で行ったが、どうも気分が乗らなかった。

「捨てる神あらば、拾う神在り。」
「は?」
「柊さんの所も苦労してるんだね。」
「……。」

も…って、話題は案の定。

「全く、理不尽だよなぁー、何だって子供が親の負担になんなきゃいけないんだ。」
「あたる…。」

望む事なら、連の家にでもずっと居たい、何なら公園で寝ても良い、兎に角あの家に居たくない…、そんな気分だ。

「でも、逃げないでちゃんと家に帰って、お父さんの面倒を見てるよね。」
「はっ!それは、仕方がないつーか、逃げ出したいけど…。」
「昨日もお酒に溺れてたとか。」
「あぁそうだよ、ロクに家庭も顧みないでっ!」
「でもさ、たった一人の肉親でしょ?お兄さんだって海外で仕事してて。」
「るせぇよっ!ごく普通に両親が居て、弟も居るお前に何が分かるってんだ!」
「……。」
「………、悪ぃ。」
「まぁーそうだよねぇー、こればっかりは、ねぇー。」
「……。」

そうこう話しているうちに小さなボロアパートが見えて来た。


「はぁ。」

布団も掛けずに口を大きく開け寝る父。辺りには缶がまたも散らばっている。



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