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【その他 官能小説】

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こじらせ処女-9

俺だって、確かに遊び相手なら処女は遠慮したい。


でもそれはあくまで『遊び相手』に限っての話である。


まあ、遊ぶっていう話を女の子の前で平気でするのはちょいと無神経な気もするけど。


だけど、ツトムくんの友達だって、ナンパ相手が処女だと知って、ヤらずに逃げたと言ってるし、根は真面目なんじゃないか?


だって、無責任にヤる方が鬼畜だし、形はどうであれ、手を出さなかった彼は誠実だぞ?


それに、遊び相手が処女なら嫌だけど、好きな女が処女で、初めての相手が自分だったらすごく嬉しいものだと思う、勝手だけど男はそういう生き物なのだ。


だから、ツトムくんはついついそんなチャラい言葉を口にしてしまったけれど、田所さんに対して重いとは思っていないはず。


なかなか手を出してこないのが、何より大切にしてる証拠じゃないか。


しかし、田所さんは俺の言葉を頑として聞き入れない。


ブンブン首を横に振り続ける彼女の様子は、もはや狂気じみているような気がした。


そして、数分後。


「……承知しました」


結局、最終決定するのはお客様。


「依頼を見合わせた方が」という俺と、「絶対やります」という田所さんで、しばらく押し問答していたが、堂々巡りの繰り返しに疲れきった俺は、そう項垂れるしかなかった。


すると彼女は「本当ですか!?」と、胸のつかえが取れたように明るい顔になる。


彼女にとって、処女というのは本当にいらないものなんだろうか。


嬉しそうにマドレーヌを頬張る田所さんを、ぼんやり眺めた。


「しかし、なぜ弊社を? 弊社は絶対に撮影致しますし、ロストバージンだけが目的なら、撮影に抵抗があるのでは?」


俺がそう言うと、田所さんはそわそわ視線を泳がし始める。


「そりゃ、悩みました。……だけど、男の子の友達がいないあたしには、こういう悩みを相談できる人がいないし、何よりツトムくんの友達にバレたくない。かと言って出会い系も怖い」


「ははあ、それでここを選んだ、と」


「ここなら、その……相手がいない場合、プロの方がお相手してくれるし……上手くリードしてくれると思うし……。撮影は恥ずかしいけど、安全面を考えたら出会い系よりいいかなって」


なるほど、そういう利用方法もあるのか。





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