正義と悪と花と涙と2-1
つ〜か子供なんてどうやって面倒みりゃいいんだ?
天涯孤独なおれにはこの共同生活は初めてづくしだった。
朝起きれば飯の準備しなきゃいけねぇ。もちろん人間が喰うもんとおれが喰うもんは違いすぎていた。やっとのことで朝飯を作った。
人間は面倒臭ぇ。と痛感した。
とにかくこいつは逞しく育てなきゃいけねぇ。
……そうおれだっていつまでこいつの……
夜になるとセイジはさみしくなってよく泣いていた。親の愛なんてわかんねぇがあいつの痛みはすこしわかった気がした。 泣き付かれて寝ちまったあいつをベットまで運んで布団をかけてやった(もちろん、ベットも布団もおれの手作りだ)
寝相がわりぃもんでよく布団を跳ねとばすあいつに布団をかけてやっておれも眠りについた。
これが暖かい生活ってやつかと思った。
セイジも次第におれになついてきたのがうれしかった。
それから8年の月日が流れた。セイジも13才になった。誕生日はおれとセイジが出会ったあの日にした。
「ガタルダのおっちゃ〜ん!大変だよ!なんか家の外兵隊さんばかりだよ!!」
外をそっと覗くと兵士がざっと50。中でも一人真っ赤に燃えるような深紅の鎧をきたヤツがいた。
そぅ勇者スカーレット!噂では怪物退治をして回ってるやなやつだ!
とにかくセイジを守らなくては!
少し時は戻り、ガタルダとセイジが出会って5年後の話だ。
勇者スカーレットは勇み足でエイトクラス城の中へ入っていった。今日は王と謁見する日だった。
「スカーレットよ!よくぞ参られた。わしはおぬしの武を高く評価しておる!
そこでじゃ!最近城の周りで多くの怪物が暴れていて民たちが苦しんどる。おぬしに怪物退治を命じる。怪物100体を退治して参れ。もちろん褒美はたっぷりと与えよう」
「王様が喜ばれるよう、このスカーレット、怪物どもを根絶やしにしてきましょう!」
力強いスカーレットの宣言に王も満面の笑みを浮かべていた。
そしてその帰り。
「あぁ王には言ったものの手柄がなくしては私のこれからもあったもんじゃない!こぅなったら怪物どもを根絶やしにしてくれるわぁ!!」
と意気揚揚とスカーレットは宿屋へ帰っていった。
実際に怪物が暴れることはそぅ多くない。兵士たちが下手な威嚇をするから、怪物たちも生きるため戦っている。 そぅガタルダもセイジを守もるために戦わざるえない状況に陥ってしまったのだった。