恋人にしたい-13
「ねぇ。立て続けに何回イケる?」
「二回まで・・・イッた事あります。」
「じゃ、今日は三回してみようか?」
「ムリですよ・・・」
「生意気なクセに意気地ないのね。」
ゴムを着けてもらうと、僕はかずささんの体をひっくり返してみた。
一瞬、戸惑ったような表情を見せた彼女はすぐに合点がいったみたいにお尻を突き上げた。
後ろからズブリと差し込めば、一度こんなポーズをしてみたかった。
安定が悪くてどうしても腰が左右にふらついてしまう。
突き出すたびに背中を向けたかずささんが「ひんっ・・」と反り返った。
それよりもこれじゃあ、お尻の肉にあたって奥までは貫けない事が分かった。
お尻と股間が激しくぶつかってパンパンと乾いた音が響く。
部屋の中はいつしか少しずつ薄暗くなってきていた。
そのパンパンが外まで聞こえないかと何気なく窓を見ると、ちょうど夕方で車が次々に帰ってくる。
うちの車は玄関の横に停めてあるのだが、父さんが帰ってきてこんなとこ見られたら困ったものだろう。
興奮を紛らせて射精を遅らそうと試みたのだけど、あっけなく射精してしまった。
してみたかった事の満足感とペニスの奥の脱力感で体が宙に浮いているようなふらつきを覚えた。
「入ってるとこ眺めてるの?」
「あ・・・いや・・・」
「何が見える?ちゃんと入ってる?」
「あ・・・お尻の穴がパクパクしてる。」
「そんなとこ、眺めなくていいのよ・・・楽しいわ。」
不意にかけられた会話もなんだか宙に浮いていた。
ともすれ、もう射精の一滴も注ぎ込んでいてペニスの先が鈍く感じる。
マズイ・・・このままじゃ入れたままで萎えてしまうだろう。
僕は射精してしまった事をなぜかバレないように祈るような気持ちで鈍い感覚を激しく突きたてた。
もう一回イカせられたら、かずささんも許してくれるだろう。
先端は鈍くてタマタマの裏が突っ張り、横腹が痛くなってきた。
「あぁっ・・・」
下でかずささんはひんひん言って腰を揺すってくれたのにゴムだけを残して彼女の中からすっぽり抜けてしまった。
取り残されたゴムの楕円形の口からは精液がポタリとしたたり落ちる。
「もう、限界?」
彼女はパチンとそれを引っ張り出して、萎えてしまったペニスに話しかけた。
話かけられたのはペニスの方だけど、僕にも同様応えられない。
「恋人になってください。」
「言ったでしょ?ベッドの中で口説かれても女は本気にしないって・・・」
そう言われると思った。
だけど、僕には他の言葉をみつける事ができなかったのだ。
「でも・・」
あの時みたいにかずささんは眉を寄せて困ったような顔をしていた。
それでも口元が笑って
「うれしいのよ。」
それはほとんど聞こえないような声で囁いた。
クズカゴの中に精液の入ったゴムはふたつ。
僕はこの人の恋人になれても、きっと予想だにしない苦労をする。
それでもいいんだ。
僕は彼女に本当の恋がしたいと心から思ったのだった。