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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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区切りを…-5

「あ……。」

次々と学校を後にするクラスメート達。その中で一人足を止める女子生徒を目にし。

「先輩!」

私が声を掛け、彼女の元に行くと振り向き笑みを浮かべる…、もののすぐにそれは消え。
誰かと待ち合わせてるのかな?

「何?ここ人が沢山居るからすぐに捕まるわよ。」
「え……。」

どうやらこの前映画館であんな事をしたもんだから、仕返しをされると思ってるようで。

「やだなぁー、そんな事しませんよー。」
「どうかしら?虫も殺さぬような顔して実は残忍で冷血何じゃない?」

確かにそういうギャップは人気出るかもって、違う!

「誰かと待ち合わせですか?」
「愚問ね……。」

軽く聞いただけなのに…、だけど先輩に言われてハッとする。早乙女先輩が今から会う相手何て一人しかいない。

「阻止……しなくて良いの?」
「えっ!?」

先輩ってこんなキャラだっけ…。阻止って。

「何?私の、邪魔…しに、来たんじゃ…ないの?」
「違いますよー、ただちょっとご報告を。」
「報告?何?」
「もう、付きまとうの、やめます。」
「へぇ、負けを、いえゲームオーバーを認める訳ね?」

ホント、どうしちゃったんだろ、彼女。

「…このまま佐伯君に恋心を抱いた所で、彼が振り向いてくれる筈がないし。」
「当然よ、私達…付き合ってるんだから。」
「そりゃー、彼を完全に断ち切れたって言えば嘘になるし、先輩に対して罪悪感もあまり
感じない。」
「……。」
「早乙女先輩!…彼を、佐伯君を、宜しくお願いしますね。彼、笑うととっても素敵何ですよ!」
「ふっ、そんなの、アンタに言われなくても判ってるよ。」

自分の想いをハッキリと伝える事が出来た。これで先輩は妙な不安を抱える事なく彼と
交際が出来るし、私だってこれで一種のけじめがついた。

それから佐伯君がやってきて、先輩と共に下校し。

「二人で何話してたの?」
「別に、さぁ行きましょうか、ご馳走してくれるんでしょ?」
「まぁ、割り勘だけどな。」
「ふふ、どっちだっていいわ、貴方と一緒なら。」

何処となく、お似合いのカップルに見える。

楽しそうな彼、当然私に振り向く事はない。

これで良いんだ、これで…。

小さくなっていく二人を、ただただ見つめ。

「若葉?今、帰り?」
「巴、ちゃん……。」
「どうした?」
「ねぇねぇっ!この後ドーナツ食べに行かない!?」
「え?今から?」
「モッチロン!ドーナツが私を待ってるのさっ!」
「あっ、ちょ!待ってぇーーー。」

押し潰されそうな心を振り払うように、思いっきり夕陽へ突っ走った。

さようなら、佐伯君…。

第8話に続く。


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