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虹色の楽譜
【女性向け 官能小説】

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-6


やがて、奏くんの演奏したCMがテレビで流されるようになって
世間が騒ぎだした。

あのピアノ演奏者は・・・誰?

その声に乗るように、音楽業界も動き出した。
私の知らないところで―――

画面の下に小さく載った小野寺奏のテロップは
その字の小ささに反して大きな波紋になった。

「久しぶりにコンクールに出てみないか」

大学側からそう打診され
迷いながらも小さくうなづいた奏くんを私は知らなかった。

私たちの歯車は小さく小さくずれ始めた。

それが、奏くんにとっていいことなのか
その時の私には分からなかった。

ただ、奏くんの音はすでに白黒ではなくて。
その色づいた音楽に、CMを見た人々や大学が浮足立った。

ごめん。大きなコンクールに出るから準備をしなければならないんだ。

そう言ってバイトを辞めた奏くんと会う時間はグンと減って。
なかなか土日も会えなくなっていった。

そして少し経った頃、コンクールに出場するから
是非、聴きに来てほしいと連絡が来た。

どんなコンクールかと柳下さんに聞いてみると
小さいため息とともに
「国内では最大級だよ」といい
「俺も行く」と私の肩をたたいた。




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