相性が良いのよ-4
「涼太さん、塔子の服、しわくちゃよ、どうして脱がしてくれなかったの、病院へ行けない・・・・・・・・服を取ってきて・・・・・・・下着も」
「塔子さん、僕に負ぶさって、そっと寝かしてね、って言うから起こさないように注意して寝かせたんだよ、今度から注意するね。車何処に置いたの、取ってくるから家に帰ろう、僕が運転するから」
「涼太さん、アイロン有る？」
「あるよ、使う？」
「皺を伸ばして、涼太さんが」
「いいよ、脱ぎなさい」
「シャワー浴びる、こっち？」
「そこはトイレ、左側」
「狭い・・・・・・」
「トイレは良いの・・・・・」
「ここで、立ちションする」
「塔子さん・・・・・・」
「もう、出ちゃった」
「じゃじゃ馬娘」
「何か言った」
「お腹減った、・・・・・・・・何があるの？」
「パン、バター、牛乳、きんぴらゴボウ、冷蔵庫を見て」
涼太は今日は授業がきっちりあるから、と塔子に告げて合い鍵を渡して出勤した。
学校から戻ると、部屋の中が散らばっている。クローゼットを見ると塔子の服だろう色々な色が目に付く、下には派手な下着が、置いてある。塔子が持ってきたのかな・・・・・・夕食を作らないと・・・・・・カレーが簡単に出来るので塔子の分も作ると、待っててもしょうがないと食べかけたら入り口が開いて、
「ワーカレー、おいしそう、いただきます」
「塔子さん、それ僕の食べさし」
「アレ、涼太さんいたの、ただいま、おいしいよ、ビールないの」
「はい、ビール」
「カレーとビール、合うんだなー、最高だよ」
「塔子さん、凄い食欲」
「暑い・・・・・・汗が出てきた。脱ぐよ」
「またまた、パンティーだけで、人が訪ねてきたら隠れるところがないよ」
塔子はそのまま食べ終わると寝てしまった。涼太は薄い夏布団を掛けたやった。
「やっと静かになった」
涼太は呟いて、食事をして、昨日から続けている学士論文の訂正と加筆をしていると午前０時になった。塔子さんシャワーも浴びないで・・・・・起こして上げようか、その時塔子の携帯が鳴った。塔子はすくっと起きあがると携帯を取り、
「すぐ行きます、近くにいますから」
「涼太さん、私裸・・・・・服は・・・・・」
それでも五分とは掛からない飛び出していった。
塔子はそのまま涼太のマンションに居続けた。殆どが寝るだけであるが、涼太はそんな塔子を大事に面倒を見た。
「涼太さん、今日は学校に行かないの？」
「日曜日だよ」
「日曜日か、私も休みなんだ・・・・・・・涼太さん抱いて」
「塔子さんは本当に忙しいんだね」
「私は忙しい女よ、今日が私は赤よ、涼太さんは青だよ、
見せて」
「ちゃんと穿いているよ」
「駄目よ、私はこの通り赤・・・・・・・青だね。相性が良いの」
「あそこに重ねて塔子さんが置いた。その通り守っているよ」
「本当にこの一週間は忙しかったが、ここに帰ってくると疲れがスーと無くなって熟睡できる。涼太さんのお陰、相性が良いんだ」
「マンションに帰らなくて良いの」
「今から帰ろうかな、一緒に来てね」
「車を、置いたままでしょう」
「そうだ、車を持って帰ろう」
「郵便受けが空だ、お父さんが来たのかな」
「それじゃ僕は帰るよ」
「駄目よ、紹介するから、帰らないで、お願い」
「僕はこんな恰好で、ご挨拶できないよ」
「いいから、多分結婚の話を持ってきたのよ、私は断っているのに・・・・・・」
「やっぱりお父さんお母さん来ていたのね」
「お帰り、塔子、病院だったの」
「今は、救急にいるから、ずっと急患が続いて・・・・・」
「そちらは」
「立花涼太さん」
「立花涼太です。塔子さんと不思議な御縁でお知り合いになりまして」
「そうですか、塔子の母の長沼志乃です。主人、塔子の父の剛史です」
「お父様ですか、立花涼太です、Ｔ大学理学部化学科大学院博士課程の学生です。この先の中学のアルバイト講師をしています」
、
「まあ、お座りになって、塔子なんとなく乱れた恰好だね」
「夕べ遅くまで急患があって、涼太さんのマンションに泊めて貰ったから」
「ずーっと帰っていないんでしょう。これだけ郵便物が溜まっていましたよ、新聞も」
「済みません、僕のマンションが病院の近くですので、夜中に塔子さんは来られるので、つい泊めてしまいまして、本当に申し訳ありません。これからは注意を致します」
「お母さん、お父さん、塔子は立花さんと結婚します」
「何ですって・・・・・・・お父さん塔子が」