第三話-2
あれから一週間、母とは会話らしい会話が出来なくなっていた・・・
学校から直ぐ帰る気にもなれず、何時もなら電車とバスを使う私だったが、家まで歩いて帰ろうと考えました。家までは約一時間半トボトボ歩いていると、中学校の頃の学区内で、あの新聞屋のおっさんを偶然目撃しました。おっさんは私の顔を覚えて居らず、脇をバイクで通り抜け、契約している家に夕刊を入れていました。
「あ、あのぅ・・・以前はすいませんでした!」
「エッ!?」
突然謝られたおっさんは困惑気味にしていましたが、私は自分の名前と住所を告げると、おっさんも私が母の子供だと気付いたようでした。
「まあ、色々あったが水に流そうや・・・お袋さん、元気か?」
「それ何ですけど・・・」
私は思いきって母との事を打ち明けた・・・
母はおっさんの事が忘れられず、オナニーをして性欲を抑えて居る事、私は母に欲情し、一度関係を結んだものの、母に嫌われ口を聞いて貰えなくなった事などを正直に話した。おじさんはニヤニヤすると、
「ほう、まだ俺に未練があるとは正直思わなかった・・・良い情報をくれたな!」
おっさんは私の肩をポンポン叩き、再び配達を始めた。その日はそれで終り、母との気まずい関係は続きました・・・