I.-1
言われた瞬間、涙腺が崩壊する。
…なんで?
誰にも言わないって、嘘だったの?
「陽向」
「……」
「俺が今どんな気持ちか分かる?」
「……」
「黙ってないでなんか言えよ」
陽向は何も言えなかった。
秘密なんて最初から存在しなかったんだ。
瀬戸のことを信じた自分が愚かだった。
今までの事を考えたら当たり前だ。
最初っから、そういうつもりだったんだ……。
陽向は黙って泣きじゃくった。
「ごめんなさい」
その一言の罪の重さを理解したから、言えなかった。
わんわん泣いて湊にしがみついた時、引き離される……そう思った。
それでも、最後でもいいから…そう思って湊の腕にしがみついた。
はしたない女だと思われただろうな。
でも、そんなのどうでも良かった。
この夢のような生活もこうして幕を閉じていくんだ。
自分がした、気の赴いたままにとった行動一つで……。
「ひな…」
「…っう」
「泣かないの」
そう言った湊の声は優しく穏やかで、いつになく自分を包み込んだ。
「ひな…」
「み…っなと……っう…ごめ…なしゃ…いっ……」
本音が口を突いて出る。
「バーカ。泣くな」
唇を奪われる。
蕩けるような感触が全身を包み込む。
離れた唇から「ひな……大好き」と湊が微笑んでまたキスを繰り返す。
おでこにキスをされ、それと同時に下半身に指が伸びてくる。
ピクンと身体を震わせると、湊は嬉しそうにまた微笑んだ。
「陽向」
下半身と露わになった乳房を弄びながら湊が言う。
「瀬戸に言われた」
「……」
「お前のコト幸せにしなきゃ殺すって」
「え……っぁう!」
敏感な所を掠められて変な声が出る。
「俺はね……お前のこと幸せにしたいって一番に思ってるよ」
「……」
「死ぬほど愛してるから」
照れ臭そうに笑った湊は陽向に深いキスをしながら感じるところを攻め続けた。
陽向は湊にしがみつき、小さな声を上げて涙を流しながら絶頂を迎えた。
「ひな…泣かない」
「ん…」
親指て涙を拭いながら湊は「舐めて」と甘い声で囁いた。
逆らうこともなく、湊のモノに手を伸ばす。
触れただけでピクンと疼き、痛そうに張るそれを口の中に受け入れる。
「ん……っあ」
夢中で頭を動かし、左手で根元を扱く。
「ぁ…気持ちい…」
頭を掴まれ、湊のペースに合わせる。
「んんっ…ふっ…」
「は…あぁっ…」
「ぁうっ……っ!……ッゲホッ!」
喉の奥を突かれ、一気にむせる。
一旦口から大きなそれが飛び出したが、涙を流しながらも陽向は湊のそれを口に含んだ。
しょっぱいような、例えようのない味がする……。
「んぁ…ひな……っあ。…おしまい」
湊に両手で頭を掴まれる。
「っぁ……すげー興奮すんだけど」
顔を赤らめて湊は微笑んだ。
「おいで、陽向」
ギュッと抱きつくと、湊は優しく抱きしめてくれた。
「もっとこっち」
湊の脚を跨ぐようにしてしがみつく。
大きなモノがおへその辺りに当たって少し恥ずかしい。
さっきから恥ずかしい事ばかりだ……と思っていると、不意に首筋を舐められ鳥肌が立つ。
「…っぃい!ぁ!!!」
「ひな坊はココ苦手なんだよな」
「……ぁあっ!ぃやぁだぁっ!」
ゾクゾクするのが苦手であり、逆に興奮してしまう。
陽向は湊にしがみついて身体を捩らせた。
その途端、前触れもなく一気に奥まで貫かれる。
「んんぁっ!いっ!!!み…湊っ!……っぁう」
「…んんっ……ぁ…はぁ……」
痛さの方が勝る。
ゆったりと腰を送り続ける湊の腕を掴んで陽向はまた泣きじゃくった。
「…っく…っぁ!み…みな…とぉ………っあ!」
「陽向……」
湊は泣きじゃくる陽向を抱きしめてゆっくり止まった。
「…はぁ……っあ…ん……」
「ひな…」
「ん…」
「痛い?」
「ちょっと…痛い…」
「ゆっくりするから…」
「ん…」
湊は陽向のほっぺたを優しく包むと、陽向を布団に寝かせ、長く深いキスを繰り返した。
どんどん涙が溢れてくる。
時折、中がピクンと収縮する。
それに合わせて幾度となくグラインドが繰り返される。
「ひな…」
「…っあ」
湊は陽向を思い切り抱きしめた。
今までにないくらい強く。
「愛してる…陽向……」
思い切り奥を突かれ、瞬く間に絶頂を迎える。
身体が痙攣する間も湊は動きを止めなかった。
「…ぃぁっ!湊…っ」
「っあ!はぁっ……んっ!」.
「いぁっ……やっ…」
「…んんぁっ…イくっ……」
陽向を抱きしめながら身体を震わせる。
陽向は湊の背中に腕を絡めて「大好き…湊…」と呟いた。
湊の身体が痙攣する度に、温かいものが身体に広がる。
「ひな……っあ…」
「湊…」
湊にきつく抱きしめられながら、陽向は再び涙を流した。