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アパートの鍵、貸します
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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アパートの鍵、貸します-1

「んっ、んんっ、あ、ああぁっ!」
 女は男の上にまたがり、その柔らかな秘部で屹立した剛直を飲み込んでいた。
「だ、出して! 中に出して! 今日は安全だから! 大丈夫だからぁ!」
 大声でそう叫びながら、男の精を貪り食うようにぐいぐいといやらしく腰を振る。
「……んっ!」
 男が仰向けのままびくびくっと震えると、
「あ、あっ、ああああぁーっ!」
 女は長い髪を振り乱すようにのけぞり、そのまま絶頂を迎えた。
 狭い一室。男と女。濃密で甘美な、ひと時。
(そ、そんな……そんな……)
 その一部始終を間仕切りカーテンのすきまから目撃していたのは、衝撃に身を震わせながら
その場に立ち尽くす、一人の青年であった。

           *       *       *

 宮下智哉(みやしたともや)は、地元ではそこそこ有名な大学に通う二十歳。
 見た目は可も不可もなく、頭の出来は中の上。性格は明るいと暗いの中間で、これといった
特技があるわけでもない。
 そんなどこを取っても「何の変哲もない兄ちゃん」の域を出ない智哉だが、ただ一つだけ、
他人と違う点があった。
 それは――。

「智哉、今晩また頼むわ」
「ああ、いいよ。何時にする?」
「一杯飲んでからの予定だから……九時かな」
「泊まりか?」
「いや、二時間。彼女んち門限厳しいらしくてさ。泊まりは無理っぽい」
「そっか。じゃあ料金はいつも通り、一時間千円な。延長は十分につき二百円」
「おう、分かった。じゃあよろしくぅ」

 智哉は、自室のレンタルという少々珍しい副業で金を稼いでいる。
「頼むよ、部屋貸してくんない? 彼女ラブホは嫌いって言うんだよ。でもお互い実家で家は
無理だし、他に手頃な場所もないし……」
 ある友人のそんな頼みが、このささやかなビジネスを思いつくきっかけだった。


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