再出発-2
夜になり仕事を終えた有樹が瀬奈の実家を訪れた。康平夫妻と4人で話した後、瀬奈は疲れたと言い二階に上がってしまった。何となく居心地の悪い有樹を見かねて、康平は言った。
「今日は家に泊まらせるよ。明日の昼間には帰るよう伝えるから今日はもう帰りなさい。」
「はい。」
頭を下げながらもどこかホッとした表情を垣間見せて有樹は帰って行った。
「どうもわだかまりが消えないようだな、瀬奈は。」
溜息をつきながら康平が言った。
「有樹さんは本当に浮気をしてるのでしょうか?」
「分からん。分からんが瀬奈が行方不明になっている時に浮気をしていたなら問題だな。私も有樹君の事を信じすぎたのかも知れないな。もし離婚になどなったら世間体が気になるからと思ってはいたが、間違いだった。もう少し瀬奈の気持ちを分かってやれば良かった。」
「そうね。」
両親は瀬奈が行方不明となり反省する事が多かったようだ。本来の瀬奈を知る両親は従来の瀬奈の姿に戻す努力をしようと誓った。
一方有樹。瀬奈の実家から向かった先は自宅マンションではなかった。
「チュパッ…チュチュチュ…。ペロッ…、あの女、帰って来なきゃ良かったのに…。チュパッ。」
「どっちにしろはっきりしない事にはおまえと一緒になる事もできないしな…」
有樹は浮気相手の優衣のマンションにいた。ベッドの上でペニスをしゃぶる優衣を見ながらタバコを吸っている。そうは言っても優衣と一緒になるつもりはなかった。大学時代に付き合っていた時も、容姿と体とセックスがいいだけで、高慢かつ我が儘ぶりが嫌で別れたぐらいだ。体の関係は続けたいがよりを戻すつもりは毛頭なかった。しかし有樹が将来政治家になりそうな事に目をつけ、優衣は猛アタックしているのである。
「あの精神異常女、私がもっとおかしくしてやろうかしら?ンフッ…」
「止めろ。今は大人しくしててくれ。政治家の道が閉ざされてしまうだろ?」
「そうね。早く精神異常女のパパから独立して私と結婚してよね?」
「ああ。分かってるよ。」
有樹はタバコの火を消すと体勢を入れ替え優衣の股を大きく開き性器にしゃぶりついた。
「ああん…!有樹…、イイッッ!!」
優衣はいやらしい女だ。まるで風俗嬢のような積極的なセックスをする。性器を舐められ嬉しそうな顔でアンアンと声を響かせる女だ。いつも我慢しきれずにクンニの途中で自分から上になりペニスを体に埋めてくる。
髪を乱しながら体の上で踊り狂う優衣。
(ホント、こいつはセックスだけは最高なんだよな…。でもこんな頭の中セックスの事しかないようなヤリマンと結婚したら恥曝しだよな。世間体には瀬奈が最高だ、やっぱ。この女を捨てるタイミングを見計らわないとな…。)
自分の人生を考えるとやはり瀬奈は必要不可欠である。理由はどうあれ有樹は瀬奈とやり直すいい方法を考えているのであった。