痛みと悦び-12
「誰にでも、じゃ、ありません、から」
ジルは特別、と言うリョウツゥの言葉にジルはニヤァっと笑う。
「ま、今はそれで充分だな」
(ぜってぇ特別以上になってやらぁ)
「?」
「何でもねぇ」
勝手に意気込むジルに首を傾げたリョウツゥを、ジルはひょいっと横抱きにした。
「わきゃ」
「さ♪続き続き♪」
「げ、元気ですね」
復活の様子を目の前で見たのだから分かってはいたが、改めて思う。
「銀の民相手は初めてだろ?色々早いが体力はあるし満足させるにゃあ大変だぞ?」
「……ぅ……」
今更ながらリョウツゥの背中に冷や汗が流れた。
「で、今日、仕事は?」
「お休み、です」
「んじゃ。遠慮なく」
ジルはリョウツゥを抱えたままソファーに座る。
「挿入無しでも足腰立たなくしてやるよ♪そだな、昼までは確実に休み無し」
「え?!」
冷や汗どころか寒気までしてきた。
「自信あんだろ?頑張れよ?」
額をくっつけてニヤニヤ笑うジルの背後で、嬉しそうに青い尻尾がわさわさ揺れる。
「が、頑張り、ますっ」
言い出したのは自分だし、これで傷ついた青い狐が少しでも休まるのなら、とリョウツゥは気合いを入れてジルに挑むのだった。
ー続くー