非常階段-5
それから数日経った。
傍から見れば、リカ達はチャラいカップルと優等生のカップルに見えただろう。
リカの友人ですら、リカと進学校の男をくっつけてWデートしようと はしゃいでた。
リカにとっては、甚だ迷惑な話しだがリカの知らない所で周りは勝手に進んでいってたのだ。
その日も、非常階段で話していると友人から「二人にして」とアイコンタクトされ、リカは仕方なく進学校の男に声を掛けた。
「ねぇ、知ってる?この上、夜景が綺麗なんだよ。」
どうにも誘い慣れてないリカは、逃げ場のない上の階へ誘ってしまい無自覚で無用心にも自分から美味しい獲物になろうとしていた。