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王子の甘い罠
【女性向け 官能小説】

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「昨日の噂聞いた?」
「いや」

自分の噂ぐらい把握しておきなさいよ。
なんて私も真樹に聞いたくせに得意げに王子に教えた。

「私が無理やりエントランスで王子をとっ捕まえて
居酒屋に連れ込んで、高飛車に手にキスをさせた事になってるのよ」
「へ・・・ぇ」

面白そうにニヤニヤと笑いだす。

「今日だってどんな噂をされてるやら・・・」

プッと笑いだして、私を抱きしめる。

「すみれさん。普段の行いですよ」

なんて王子の口調で笑いながらキスをする。
エセ王子が!


「そうだ。明後日から僕1週間ほど会社を休みますから」
僕はやめなさい。
「なんで?」
なんで?なんて聞く権利が私にはあるんだろうか?
「両親の呼び出しです。フランスまで行ってきます」
「まだご両親はフランスにいるのね。羨ましい」

中学までフランスで過ごした私は
フランスの方が日本よりも過ごしやすい面も多い。

「じゃぁ!小説を買ってきてくれない?」
ものすごくいい思いつきに自分を褒めたくなる。

「は?」
「私、今仕事が落ち着いてて、しばらくフランスに行かないのよ」
「あの?僕に女性向けの過激な官能小説を買ってこい!と?」
僕はやめなさい。

「このシリーズ!このシリーズが好きなの!お願い」
「そのシリーズが過激なんですね・・・」

悪い?





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