甘-7
「王子。セーフワードを変えたい・・」
私も息が整わないのに話し出した。
「なんで?」
「セックスの途中で、王子の名前を呼びたいの」
「・・・・」
「晃って呼びたいの」
そういった私を次の瞬間、ギュッと抱きしめた。
「すみれさん。俺気持ちよすぎてどんどん加速しそうで怖い。
セーフワードはしっかり決めておこう」
「でも・・・」
「ん?」
「王子は、私が本当に怖いことや嫌がることはしないと思う」
じっと私の目を見つめてうれしそうに笑うとキスを繰り返した。
今回のセックスでわかったことがある。
ソフトSMって相手を信用してないと怖くて出来ない。
手を縛られて、置き去りにされるとか
ひどいことをされるとか、そんなことを疑う相手とは出来ない。
目隠しされるとか、相手を信用しているから本気で楽しめるんだ。
私は、王子を信用してるんだ。
「うん。王子は私にひどいことはしないよね。
それだけは分かる」
一瞬驚いた顔をした後に
「これ以上好きにさせないで」と言って
私をギュッと抱きしめた。
「すみれさん。普段も晃って呼んで」
「それは無理!」
今まで笑顔だった王子がムクれた。
「はっきり言うなぁ。何で?」
「いやよ。これ以上会社で風当たりが強くなるのは」
「大丈夫。俺が守るから」
ギュッと私を抱きしめるけど
「王子が守ったら余計風が当たるんだって!分からない男ね!」