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王子の甘い罠
【女性向け 官能小説】

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もう一度、外れないか確かめる。
「ムダだよ。外したくてもそれは外れません。
逃げたくても・・・逃がさない」

セックスの最中の悪魔とは全く違う声色で
王子に戻って私をなだめて甘やかす。

王子の顔と悪魔の顔と、二つの顔で私の心に入り込む。

「あと。日本に帰ってきたら仕事の相談があるんです」
「仕事の相談?」

部が違うのに?

「部の相談なら真樹か、加藤さんにしなさいよ」
私の言葉に苦笑いして
「部の相談じゃないですよ」
と言った。

「何?」
「帰ってきたらでいいです」

そう言って私の身体を舐めるようになでまわす。

「好きです」
「・・・・」

「忘れないで。
僕はすみれさんが好きだから。抱いてるってことを」
「・・・・」

「好きです」

つぶやくように小さく聞こえたその言葉に
私は返事をしなかった―――





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